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ネコ系女
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ネコ系女 #4-3

「ウザい」

「何でそんなこと言うの!朝希のこと絶対好きだよね、あれは」

「意味分かんない、何なのあいつ。ウッザい」

好きな訳無い。あいつには彼女がいるのだ。
まぁ、過去に彼女がいるのにも関わらず私に言い寄ってくるバカはたくさんいたけど、タマはそんなこと出来るほど器用な男じゃないと思う。

「えー?優しそうだし面白いし仕事で着てるスーツ似合うし、朝希にはああいう人が合ってると思うんだけどなぁ」

姫代の言葉を私は鼻で笑ってやった。

「冗談やめて、まじで。ちょっとトイレ」

「うー…」

私はメイクポーチを持ってお手洗いへ向かった。
そろそろ化粧直ししたい。
それにしても、姫代ってば何であんなにタマを勧めてくるんだろう。彼女いるってのに。あ、姫代はそれ知らないか…。
経験から言うと、彼女持ちと付き合うと後々面倒なのだ。
でも…もし…。
タマに彼女がいなかったら…?私は同じように言っていた…?
私はファンデーションをパタンと閉じた。
もういいや。考えるのも面倒くさい。


【ネコ系女はかなりの面倒臭がり】


姫代んとこに戻ろう。
そう思ってトイレを出た時、たまたま近くの席に座っていた男の人と目があった。

「朝希ちゃん!?」

男が手を挙げて席を立つ。あれは…

「あ…」

…ごひげ!

「ツシ君!」

危ない。危うく本人に向かって『顎髭』って叫ぶところだった。

「うわぁ…。また朝希ちゃんに会えるなんて思わなかったよ!」

顎髭は嬉しそうに笑った。先の合コンでは一番イケてると思った男。

「私も!」

今の今まで存在忘れてたけど。

「朝希ちゃん、今日は休み?」

「そう。友達と遊んでんの。アツシ君も休みなの?」

「いや、俺は仕事の休憩中でさ」

仕事?何だっけ。

「へ、へえ。お昼にしては遅いよね?」

「まぁな。やっと客も引いて飯食えたよ」

客?この人の仕事本当なんだったっけ。

「あ、そうなんだ。お客さん相手にするのも楽じゃないもんね…。私も接客業だから分かるよ」

とりあえず当たり障りの無い返答。


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