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……タイッ!?
【学園物 官能小説】

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……タイッ!? 第二話「励ましてあげタイッ!?」-18

**――**

 女子八百メートル予選開始。
 あたしはスタートラインにつき、目を閉じて三数える。高校初戦がいきなり総体っていうのは驚いたけど、中学の時だってそれなりだったもん。だからいける。
「位置について……」
 合図と同時に地面を蹴る。でも絶対に焦っちゃいけない。これは短距離走じゃない中長距離走。ペース配分がモノを言う競技。ただ走るだけじゃない!
 ――パンッ!
 空気砲の音とともにいっせいに走り出す。それと同時にあたしはトップに躍り出る。コレがマラソンの類なら先頭集団についていくのもあり。ここが中距離走のメンドイところ。二分弱、風に晒されるのは辛いけど、壁の後にいくわけには行かない。

 トラックを一周で四百メートル。
 残り四百メートル。
 背後に目はないけど、結構距離がある。
 気配で分かるし。
 ならあとはペースに気をつけるんだ。
 オーバーワークする必要は無い。
 だってコレはあくまでも予選。目的は次にあるんだから!

**――**

「……まさか、ヤリ逃げとかしないよね?」
「今から香山さんの試合……」
 ズボンを穿き直す紀夫を呼び止める紅葉。彼女は服を正さないどころか、別の色のゴムの包みを咥えていた。
「もう少しあるでしょ? 三分ぐらい……」
「三分って、そこまで早くないですよ……」
 男としての矜持を傷つけられた紀夫は、むっとした様子で答える。
「私のここ、君のでよくしてもらいたいな……」
「そんなの後で……」
 ふさふさした陰毛に囲まれた女陰。滴る蜜とそれをかき回す細い指先。それを救い上げては乳首に塗りたくり、ぬらぬらとしたテカリを見せる。
「だーめ、い・ま・し・た・い・の……」
「けど、応援……」
「そんなに里美ちゃんのこと気になる?」
「はい」
 口では拒むものの下半身は既に力んでおり、着替えの手も止まっている。
「ねえ、このこと里美ちゃんにばらしてもいい?」
「それは困ります……」
「私が実は二人の内緒話聞いててさ、しかもマネージャー君をはむはむちゅっちゅしてましたなんて言ったらどうなるかな」
「辞めてくださいよ。脅すなんてずるいです……」
「もう私の身体も大分ほぐれてるし、多分五分もしないでいっちゃうよ? ちょっとばっかし我慢して私を抱いてくれればいいんだよ? もっかいイッテもいいしね……」
 黙っている代わりにセックスをしろ。相手は充分な美人であり、身体の発育も良い。
 むしろ立場が逆なのではないかというシチュエーションだが、彼の目の前で自身を弄る淫らな女子は確かに秘め事を望んでいる。
 どんな裏があるのだろうか? それだけが気がかり。けれど既にエクスタシーを与えられている紀夫からすれば、それが二回になる程度のこと。坂を転がり始めているのだしと割り切ることもできる。
「黙っててくれるんですよね。もちろん他の人にも……」
 床にへたり込み背中を壁にもたれる紅葉に近寄り、ズボンを下ろす。彼女の眼前に逸物を差し出し、ゴムをつけてもらう。
「うん。けど、質問がある……」
「なんですか?」
 細い指先のイタズラを受けながら、この際怖いものも無いと鷹揚に頷く紀夫。
「里美ちゃんのこと好き?」
「はい?」
「嫌いじゃないよね?」
「ええ……けど」
「友達以上?」
「多分……」
 親友ぐらいならそうかもしれない。少なくとも共通の悩みとそれに立ち向かう同盟関係が結ばれているのだし。


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