投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

……タイッ!?
【学園物 官能小説】

……タイッ!?の最初へ ……タイッ!? 54 ……タイッ!? 56 ……タイッ!?の最後へ

……タイッ!? 第二話「励ましてあげタイッ!?」-19

「ならよし! ほら、来て……」
 行為に及ぶ男女の会話としてはいささか不審なもの。
 紀夫が里美を気にするのはマネージャーであることとつい先ほど交わした口約束からだが、紅葉が気にするのはどういうことだろうか?
 とはいえ、そんな疑問は後回しと、紀夫は彼女の腰に手を回す。
 今からするのはあくまでも口封じの為。約束を守ってくれる保証などないが、今は一刻も早く里美の応援に駆けつけたい。そのためには紅葉を満足させるしか……。
 与えられた言い訳を無理矢理に鵜呑みにしたあと、紀夫は自身を彼女に突き立てる。
「あ、ああぁん!」
「うぅっ!」
 窓は開いたまま。けれど人気は無い。だから平気で大声を上げる。
「はぁっ! はぁっ! あぁ! んくぅ……はぁ……」
 奥から溢れる蜜を頼りに必死に貫く。汁と空気が混じりじゅるりと音を立てた辺りで窓をバチンと閉める。埃臭い倉庫で二人身体を重ねるのはあまり雰囲気のあるものではないが、他人に見られたい欲求も無い。
 それに、たまに自分を見上げる紅葉の獲物を見る表情が好きだったから、邪魔をされたくなかった。
「ン……はぁ、ね、え、マネージャー君……君、どう?」
「どうって、すごい、気持ちいいです……」
「そ? でもさ、んぅ……あのさ、君はさ、好きでもない子とセックスしてるんだよ?」
「そんなの……そんなこと……今いう事じゃ……」
 フリーセックス。自由なパートナー選びなど誰でもやっていること。セックスは避妊さえ気をつければ一番安く済む男女の込みニュケーションetc……。言い訳はいくらでも出てくる。けれど、どれもしっくり来ない。
「マネージャー君のオチンチン、さっきよりいい。興奮してる?」
「そりゃまあ……先輩とできるなんて思わないし」
 何時人が来るか分からない倉庫ということもあってか、確かに興奮している自分がいる。ただ、十数分の会話の後ではそれも和らいでいる。なら今の分身をいきり立たせるのは?
「浮気してるから……かな?」
 心中に稲妻を走らせる言葉。
「浮気なんて……してません……」
 自分は女子にもてはやされるタイプの人間ではない。それは充分に知っている。けれど、何故だろう、胸が痛み、それに半比例するかのように怒張が荒ぶる。
「っていうか、むしろ里美ちゃんが君を好きなのかもよ?」
 楽しそうな視線を送る紅葉は紀夫の手を握る。
「そんなこと……」
 握り返すと爪を立てられる。
「なのに私とエッチする君。浮気症だね……」
 特殊な環境、タイミング、心の隙間風が原因で気持ちが近くなることもある。理恵の場合はそうでしかないと自分に言い聞かせてある。それは里美との関係も同じ。けれど、期待する自分がいる。
 もし、桜蘭の男女比が一対一なら今の関係などありえない。里美は別の頼もしい男子と歩き、理恵もきっと自分をテスト対策のノート程度にしか見ないだろう。
 ――馬鹿みたいだな。僕は……。
 紀夫は彼女の背中に手の平を押し付けると、そのまま体重を乗せて彼女の体勢を低くさせる。彼女が四つん這いになったところでお尻を掴み、角度を変えてねじ込む。
「んぁああああんぅ……やだ、奥にきちゃうよぉ……」
 切なげな悲鳴を聞くとそのまま流されそうになる。紀夫は彼女の両肩を抱き締めて堪えたあと、自分も腰を落とし膝立ちの姿勢で乱雑に腰を前後させる。
「はっはっはっ……っ!」
「んっ、んくぅ、あ、やぁ、やだ、はやっ、い、いぃ!」
 細かい呼吸と一緒に責めあげると、紅葉もそれに呼応するかのように声を漏らす。
「あ、駄目、だめ、もっと、もっと……したいのに……」
「先輩、紅葉先輩……いいですか? いいんでしょ?」
 駆け引きをすれば泥沼にはまるだけ。彼はただ無心で彼女を求めることにした。


……タイッ!?の最初へ ……タイッ!? 54 ……タイッ!? 56 ……タイッ!?の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前