冷たい指・女教師小泉怜香C-7
「……教室に……戻んなさい……」
本当はずっとずっと待ち望んでいた亮の愛撫。
たくさん言いたいことはあるのに、衝立の向こうの相原博美の存在が私の言葉を封じ込める。
胸が引き裂かれるような思いで私は亮の身体を強く押し返した。
「………もういいよ。どうせあと10分くらいだし……」
息がかかるくらいの耳元で甘く囁きながら、私を抱く腕に一層力をこめる亮。
『―――やめて……どうしたの?』
今日の亮は明らかにおかしい。
いつもは私が面倒なことに巻き込まれないように、すごく小さなことにまで気を配ってくれている亮が、冷静さを失っているように見えた。
「……ダメよ。言うこと聞いて」
「別にいいじゃん……それよりさ……」
これ以上迫られたら亮を拒み続ける自信がない。
私は泣きたいような気分で亮を睨みつける。
しかし亮はまったく動じる気配などなく、私の背中を強く抱きながら、もう一方の手で乳房を直接まさぐりはじめた。
下椀をそっと持ち上げるようにしながら手の平で全体を揉みほぐすような熟達した指使いに、私の肉体はすぐに反応してしまう。
感じている表情を探られるように下から顔を覗き込まれたと思ったら、あっという間に唇が近付いてきた。
「……ダメよ……んっ……」
鼻腔に直接かかる亮の甘い吐息。
器用な軟体動物のように激しく絡みついてくる舌。
本当はずっと……こうされたいと望んでいた。
亮を想いながら何度ここで虚しい自慰を繰り返したか……自分でももう覚えていない。
やっと今、待ち望んだものが与えられたというのに、私の心は何故か切なくて悲しくて悲鳴をあげていた。
「……んっ……ふぅん……」
亮が呼吸する暇さえも与えてくれないから、息苦しさで身体が痺れてくる。
「……センセー発情してるだろ……」
亮らしくない乱暴な言葉。
こんなに近くにいるのに、どんなに探しても亮の本心はここにはないような気がした。
亮――あなたは今
何を求めているの?
気がつけばシャツの前ボタンは全て外されて、両方の乳房が完全に露出してしまっている。
挑みかかるようにためらいなくそれに吸い付いてくる亮。