エリザベス・悲劇の人形たちX-2
バシーッ!
ドカーッ!
中から騒々しい物音が響いて来た。
「ウィアンッ!! ウィアンッ!! ミャミャーッ、ゴメンニャチャイッ!!
ミャミャーッ!!」
ルルの悲鳴だ!
いったい、どうしたのだろう!?
マルセルは何故か、ジッと落ち着いたまま中に入ろうともしない。
激しい音は尚も聞こえて来る。
何度も何度も、ルルは悲鳴を上げる!
そして…
扉が開いて、エリザベスが出て来た。
手にはルルが両足を握られ、逆さ吊り状態になっている。
「ウィアーンアーンアーンッ! ウィアーンッ! ウィアーン!」
泣きながら、体を揺らすルル。
ママからボコボコにされ、体中が傷だらけだ。
ピューッ!
何とルル、その場でオシッコをした。
グロリアスの衣類にモロにかかってしまう。
これにはマルセルは顔をしかめ大慌て!
「そんな汚い子、捨てて来てちょうだいッ!
なるべく、家から遠い所へねッ!」
マルセルに言われるがまま、エリザベスはルルを麻袋に入れて出かけ始めた。
ヒュゥゥー!
外へ出てみると、そこは極寒の銀世界。
いくら防寒着を着込んでいても、ジッとしていれば寒さが身に沁みる。
トナカイロバ車で走って着いた場所は、家から数キロ離れた山の中。
辺りは人気は全く無く、雪に覆われた深い森に囲まれている。
すぐ傍には吊り橋が架かっていた。
冷たい風が近くの山から吹き下ろして来る。
吊り橋の真ん中辺りへやって来たエリザベスは、麻袋からルルを取り出した。
足を掴み、逆さま状態である。