振り向けお前っ! 13話〜コタエ〜-7
「ん?何か言った?」
尋ねたが、そこから反応が無くなったので、視線を悠太の方に向けると。
目を閉じて何とも幸宏の声が聞こえなかったような態度を取っていた。
「狸寝入りですか。」
一言いって苦笑する。
その間も車はどんどん進んでいく。
そして、夕方に入りかかる頃には、家の近くについた。
「よーし、到着だぞ。」
「あーやっとか。」
「疲れたわねぇ。」
「俺こっから歩くのか?」
「だな、お前んちだけ遠いもんな。」
「はぁ、じゃあな。」
「おう、宿題ちゃんとやれよ。」
「わかってらい。」
そう言うと進一は歩いていった。
「ふぅ、じゃあ僕も家に戻りますね。」
「私も。」
と輝と薫も戻っていき。
最後3人が残された。
「じゃあ俺も戻るから、じゃあ。」
と悠太も戻っていく。
「じゃあ私たちも行きましょうか?」
「はい。」
残った2人は一人は自宅、一人は恋敵の家となって。阿佐美の家へ入っていく。
家に入り、阿佐美の部屋へ行く。
部屋にいた2人はしばらくの間沈黙を続けていた。
「あの・・阿佐美さん。」
「愛華ちゃん。」
「な、なに?」
「いえ・・阿佐美さんは?」
「なんでもないわ・・・なんでも・・。」
たまに、どっちかが話を切り出そうとするともう片方も口を開きかけ、結局は両方黙ってしまう。
そんな気まずい時間が流れていった。
そんな時間にしびれを切らしたのかついに
「ねぇ、愛華ちゃん。」
「は、はい。」
阿佐美が沈黙を破る。