振り向けお前っ! 13話〜コタエ〜-3
そして・・・
今までぼーっとしていたのだろうか、はっと気づくと悠太の顔が目の前にあったので、
「きゃっ!」
と言って後ろへ飛びのいた。
「あ、ごめん驚かした?」
「い、いえ、大丈夫です。少しぼーっとしてしまったようで。」
そうは言うもののやはりちょっとふら付いている。
「昨日寝てないんですか?」
薫が心配そうに尋ねるがそれを愛華は微笑みながら平気ですと返していた。
しかし、この寝不足の原因が自分にあることを薄々悠太は感づいていた。
なにせ昨日。いや正式には今日だが、あの一部劇のことでだろう。
自分のことで、こんなに悩んでいることを思うと愛華に申し訳が立たない。
「おい、愛華。」
「はい?」
「まだみんな、部屋から出てきてないし、もう少し休んでおけよ。」
「でも、皆さんの朝食とか準備しないと・・・・」
「そんなふらふらな状態だと、失敗とか起こしそうで怖いから、そこのソファーででもいいから少し休んでなさい!」
「え、えぇ。」
そう悠太に促されると、おぼつかない足取りでソファーに向かっていく。
と、思った。
バタン!と音がした。
その時悠太は愛華の代わりに朝食の準備を代わりにやろうとして、ソファーと反対の方のキッチンの方向を向いていた。
そして、音がした瞬間体を猛スピードで翻す。
案の定、愛華が倒れていた。
幸い薫が先に愛華のもとに駆け寄っていたので、さほど心配はしなかったが、仕方ないので、抱きかかえてソファーに横にさせる。
「だから言わんこっちゃない・・。」
「でも、何をそんなに倒れるまで無理したんでしょうね?」
「さ、さぁ?」
理由は知っていても絶対に言えない。
「まぁ、少し休ませておけば大丈夫でしょ。」
「そうですね。」
「それより薫、手あいてる?」
「え?えぇ。どうかしました?」
「朝食の準備の手伝いを頼みたいのだが、いいか?」
「あ、はい。構いませんよ。」
と言うことで2人で準備をすることになった。
まだ部屋にいる輝たちは、
悠太と同じで荷物の整理をしていた。
進一を除いて。