『教会の話』-2
あぁ、神よ。私の罪をお許しください。私が、もう少し、早く帰ってくれば、彼女を救えたかもしれないのに。
あぁ、神よ。どうか、どうか、私をお許しください。
神父が祈りを捧げていると、少女の母親が、教会へと訪れます。
血の池に沈む少女を見て、母親は嘆きます。
あぁ、神よ。私をお許しください。私は、娘の抱えている悩みを、慮ることができませんでした。
あぁ、神よ。どうか娘に、大いなる御慈悲をお与えください。
あぁ、神よ。どうか私を、どうか私を、お許しください。
しかし、偶像は答えません。
しかし、偶像は思います。
たぶん、彼らは、同じところへ、行けないだろうに。