バッドブースターU〜姉とメイドと心の浮気〜-2
――とはいえ――
ずちゅ!
「んああ!」
一度入ってしまえばこちらのもの。もう十分に快楽を得られるようにもなっていた。
「あくっ! はぁ! んあぁん! いい……すごく気持ちいい……」
羞恥は快楽の炎の前に灰塵に帰し、自然に感じていることを告白する藍。
「はうっ! すごいよぉ! 奥に当たって……! あん! もっと! もっとお!」
激しく喘ぎながらも、いつしか佑助の首に腕を、腰に脚をしっかりと巻き付けている。
「はうん! あん! 好きっ! あん! 佑助君、好きぃ! 愛してるのぉ!」
「俺も、俺も好きだよ、藍!」
次第に荒くなる二人の行為。藍はその中で、
(熱い……溶けそう……)
全身に何かとてつもないものがかけめぐり、猛烈な浮遊感に襲われ、行き場のないやるせなさを覚えていた。
これが絶頂の、前兆だということは、よく知っていた。
その浮遊感は、やがて彼女の意識を飛ばしてしまいそうになるほど強くなり――
「あっ、イクッ! もうイッちゃう!」
「お、俺も……もう……」
「あっ! ああ! あぁぁぁぁぁ!イクぅぅぅぅぅ!」
「くう!」
佑助は素早く一物を引き抜く。粘性のある白濁液が、藍の身体に降りかかる。
『はぁ…』
二人の息が重なる。
佑助の方はすぐに平静を取り戻したが、藍は意識の混濁からの回復に時間がかかる。佑助はそれをじっと待つ。
藍は身体の力が抜け、心地よい睡魔の誘惑がやってくるのを感じていた。グッタリとした状態のまま、うっすらと目を開き、汗ばんだ自分の体を見て――
と、
何故か、
急に、
藍の機嫌がみるみるうちに悪くなっていく。
それを悟った佑助は、その理由をとりあえず訊いてみる。
自分の体――精液がかかっている部分――をじっと見ていた藍は、佑助の方へ顔を向け、半眼で睨み据えながら、
「薄いよね?」
と言った。
何が、とは佑助は問い返さなかった。
胸中で一人葛藤する。
七日も間が空いたのだ。自慰だってしていたとておかしくない、おかしくない……はずだよ……?
ただ問題は、『七日間』の原因が、
『期末テスト前だし、テストに集中したいから……』
という佑助自身の提案によるもの、ということだ。
つまり、まあ、自分でやめとこうとか言ってたクセに、我慢できなくなって一人でしていたという訳で。
佑助の葛藤の内容を、藍は『女の勘』で察した。
更に、佑助がオナニーに際して何かしらのオカズなるものを使用した――自分以外の女で……
藍はしばらく佑助を睨んでいたが、やがてこう叫んだ。
「佑助君の浮気者――――!」
「え――――!?」