Plunged-5
夜7時。
「失礼しまあす」
由香は放課後同様、職員室に現れた。窓のブラインドは降ろされ、蛍光灯の明かりに照らされると、昼間とは違う空間に見える。
室内には、まだ数人の教師が残っていた。由香は、その中を息を切らせて田沼に近づいた。
「すいません…こんな時刻に…インタビューを…」
そんな態度に田沼は目尻を下げた。
「構わんよ。教師の生の声を取り上げてもらうのも教育の一貫だ」
「…では、さっそく…」
そう云って、インタビューを切り出そうとした由香を田沼は制した。
「ここではマズいよ」
「えッ?何故ですか」
疑問に対し、田沼は周りを見てから、
「ホラ、ここは他の先生方もいらっしゃるし。話難い事もあるからね」
「じゃあ、何処か場所を変えますか?」
「そうだな…放送室なら誰にもジャマされないから良いかもな」
──こういう手口を使ってたのね。
2人は職員室を出て、暗い廊下を放送室へと歩んで行った。
同じくして麗香の携帯が震えた。彼女は素早く通話ボタンを押した。
「はい……分かった」
通話はすぐに切られた。それは、校舎の外から動きを窺う部員からの連絡だった。
「そろそろ、私も準備しなくっちゃね」
麗香は、立ち上がると大きな伸びをして部室を出て行った。
「では、ここで伺おうか」
放送室に置いてあるイスに腰掛け、田沼はインタビューに向かった。
「では、まず先生の生い立ちから…」
語る由香は、麗香の言いつけどおりにブラウスのボタンをひとつ多めに外し、スカートをたくし上げていた。
はだけたブラウスは豊よかな胸元を覗かせ、短いスカートが健康的な太腿を見せつけた。
幼い顔立ちでこれだけの体躯。真性ロリコンの田沼には、たまらないシチュエーションだろう。
「それでは先生、今日はありがとうございましたッ!」
インタビューを終え、由香はイスを立ち上がって頭を下げた。
すると田沼は、彼女の手を取り自分の方へ引き寄せた。
「…先生?」
何が起こるか分からないと不思議がる顔。その顔を見た田沼は、歓喜の震えを覚える。
「このまま、終わりと思ったのか?」
力任せに由香をデスクに投げ飛ばした。