投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

Plunged
【その他 官能小説】

Plungedの最初へ Plunged 7 Plunged 9 Plungedの最後へ

Plunged-8

 1週間後、田沼は学園を去った。あの騒動の翌夕、新聞部は速報を貼り出した。

 ──夜のチン騒動?─

 という見出しを付け、淫部と目を黒塗りした田沼の写真を添えて。
 むろん、この程度では懲戒処分となり得ない。麗香は学園長のところに赴き、盗撮した映像を提出して事の顛末すべてを語ったのだ。
 もちろん、由香が映っている部分は編集で分からなくしてから。



 田沼が居なくなった放課後。
 麗香は屋上のベンチに腰掛け、学園前の田園を眺めていた。
 一面、朱色に染められたヒナゲシの真ん中を、濃い青葉が貫くコントラストが夕日に彩られて鮮やかだ。

「部長ォーーッ!」

 カン高い声とともに現れたのは由香だ。

「何やってるんです?もうすぐ部活が始まりますよ」
「分かってる…」

 麗香は柔らかな表情で由香を見た。

「とりあえず、カタがついて良かったわね」
「はいッ!友達もとても喜んでました。部長のおかげです」

 由香は声を弾ませ、深く頭を下げた。その様子に麗香は頷くとニヤリと笑い、

「私なんかより、1番の功労者は由香よ」
「私が?…ですか」
「そうよッ。なんといっても田沼に弄ばれてヒイヒイよがって。とっても愉しそうだったけど」
「じ、冗談じゃないですよッ!あんな目、2度とゴメンです!」

 涙目になって本気で怒る由香を見た、麗香はケラケラと笑った。

 朝霧麗香。聖信学園中等部3年、新聞部々長。

 今日もまた、学園の正義を貫くため奔走する…。



 …『Plunged』完…


Plungedの最初へ Plunged 7 Plunged 9 Plungedの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前