Plunged-3
その夜、シャワーを浴びた麗香は火照った身体を冷ますため、自室のイスにもたれ掛かる。
──先ずは田沼の嗜好を調べて、誘き寄せる必要が有るわね。
人を陥れるには、相手の隠している本性を探ることだ。
麗香は、冷めた身体をベッドに潜り込ませて目を閉じた。
暗い空間で、彼女は様々なことを思い描く。
3件のレイプの対象相手は、いずれも幼な顔で150センチあまりの身長。そのわりには豊満な体格をしている共通点がある。
──田沼は真性のロリコンか…だとしたら、その嗜好に当てはまるのは…。
麗香は部員の中から、田沼好みな娘をピックアップしていく。
──ウチで当てはまるのは由香か…。
麗香の顔がニヤリと笑った。
──わざわざ私に振って来たんだ。由香には、それなりの苦労をしてもらいましょう。
作戦は出来上がった。安心した麗香は、瞳を閉じると眠ってしまった。
翌日。
「ええッ!私が囮に?」
放課後、新聞部の部室から由香の奇声が上がった。周りの部員達は慌ててその口を塞ごうとする。
そんな中、麗香は企みを持った笑みを湛えて由香に歩み寄ると、
「そもそも、この話はあんたが持って来たんでしょう。その友達のために、ひと肌脱ぐのが友情ってモノよねえ?」
そう云って迫る麗香に、由香はたじろぎながら頷いた。
「でも部長…私は何をやれば良いんです?」
「それを今から教えてあげるわよ」
麗香の目がいたずらっぽく笑った。
翌放課後。
職員室に向かう由香の姿があった。
──いい?なるべく可愛いらしい声と仕草でやるのよ。
麗香の言葉が頭に浮かぶ。由香は緊張した顔で扉を開けた。
「失礼しまあす」
一瞬、教師たちの視線が集まる。が、それもすぐに解けて仕事をこなすために机に向かいだす。
そんな中、田沼だけは彼女を注視する。──欲望みなぎる男の目で。
その目を見た由香は、背中に冷たいモノを感じた。
──ああ、逃げ出したい。でも、部長は怖いしなあ…。
由香は、意を決して職員室の中を進んで田沼の前に立った。