投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

Plunged
【その他 官能小説】

Plungedの最初へ Plunged 1 Plunged 3 Plungedの最後へ

Plunged-2

「…うッ…せ、先生に相談があるからって…ええッ…そしたら…放送室に…うッ…連れて行かれて…」

 少女は、嗚咽混じりに理由を語る。それを、部長である朝霧麗香は気だるい気持ちで聞いていた。

「…私…あんな目に遇うなんて…」

 麗香の前で、すべてを語った少女はその場で泣き崩れた。そんな彼女に、新聞部々員であり少女の友人である野々下由香が手を差しのべる。

「泣かないで。あなたの無念は、きっと部長が晴らしてくれるわ」

 ──なんだ、こりゃ…まるで3文芝居のような…。

 一連の2人のやり取りに、麗香は軽い眩暈を覚えた。

「とにかく、理由は分かった。力になれるか分からないけど、出来る限りのことはするから」

 少女は、麗香の言葉を聞いて安堵したのか、柔らかな笑みを浮かべて部屋を後にした。

「こらッ!由香」

 彼女の姿が消えた途端、麗香の叱責が由香に飛んだ。

「何であんな娘の尻拭いを私に持ってくんのッ!そんな話は生徒会にしなさいよ!」

 目をつり上げ、激しい口調で責めたてる麗香に由香は怯えた顔で言い訳する。

「で、でも、あの娘、私のクラスメイトで…可哀想になって…」

 由香の訴えを聞いて、麗香は鼻を鳴らして笑った。

「由香、あんたも人が良いわね。あの娘が本当にレイプされて悩んでいると思ってんの?」

 由香の顔色が変わった。その目が麗香を睨み付ける。

「いくら先輩で部長の麗香さんだからって、聞き捨てなりません!彼女は私の友人で、私を頼って来たんですよッ!」

 必死の形相。それを見た麗香の顔はフッと緩んだ。

「あんたの友達思いな気持ちは分かるけど、あの友達はそうは思ってないわよ」
「なんでそんな事が麗香さんに分かるんです?」
「あの娘、泣きながら理由を喋ってたけど、涙なんか出てなかったわ」

 麗香の言葉に、由香は耳を疑った。

「それに、いくら先生といったって、放送室のような密室…外に音の漏れ難い部屋に男と2人でノコノコ中に入るかしら?」
「じゃあ、彼女は…」
「そういう事。自分から分かって付いて行ったのよ。中2にもなれば、そのくらいの知識はあるでしょ」
「でも、どうして…」
「それは分からない。私は彼女じゃないからね」

 理路整然とした麗香の答え。聞いた由香は悲しい顔で俯いた。
 信じていた者に裏切られた虚しさがそうさせた。

「でも…」

 そう云った麗香の目は鋭く輝いた。

「その先生…田沼は許されないわ。私の知る限り、今年で3件のレイプを学内で起こしてる」
「部長…」

 由香の顔がパアッと弾けた。

「必ず、シッポを掴んで学園に居られなくしてやるから…」

 その目は、野望に満ちていた。


Plungedの最初へ Plunged 1 Plunged 3 Plungedの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前