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未完成恋愛シンドローム
【同性愛♂ 官能小説】

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未完成恋愛シンドローム - 希望的観測 --6

「・・・」
「ん?」
オレからの視線に気付いたのか、コタローがこっちを見てくる。
「・・なんでもない」
間違っても口に出せる筈もない。
「?」
「・・」
表情に疑問符が張り付いているコタローを半ば無視して、取り敢えず平静を装う。
「つーかさー」
「あ?」
「そんな長い期間、我慢でけへん」
「・・・・」
―ほんまにこいつは・・・。
「―じゃあ」
「ん?」
「・・・・」
言いかけて、口を閉じる。
「じゃあ、なに?」
―まぁ、まず出来ないだろーから別にいっか・・。
「英語でオレよりいい点数取れたら、あんたの好きな時にやってもえーで」
言ってちょっと後悔した。
「・・・・・」
立ち止まって何かを考えているコタロー。
「なんやの」
「それって、いつでもどこでも何回でもOKってこと?」
「1回だけに決まってるやろ!!」
「えー」
「えー、じゃなくてな・・・」
―少しはオレの身体もいたわってくれ。
「じゃあ、いつでもどこでもOK?」
「・・常識の範囲内ならな」
―流石に、人が一杯いる駅前とかではやらないだろーし。
「乗った」
「早っ」
・・・多分―
「せやから、せめて英語のテスト還ってくるまでは我慢せぇよ」
「え」
・・・。
「いやいや・・」
「ん?」
「あんた、今までの話の内容覚えてるか?」
「英語でイヴより点数取れたら、あんなこと・こんなこと・あーんなこと・うふーんなことを、いつでもどこでも好きな時にしていい」
「良くない!」
「えー」
「・・・・・」
曲解もいいところだろ。
「もしオレよりいい点数取れたら、1回だけ、常識をわきまえた上で、ある程度好きにしていいってだけ!」
「・・・・」
「・・・・なに?」
「合ってるやん」
「合ってない!!」
どんな脳みそしてるんだ・・・・。
「なーイヴ」
「なんや―」
―ちゅっ
「・・んっ?!」
振り向いた瞬間、口唇が塞がれた。
「んー・・・相変わらずイヴの口唇、やらかいよな」
「おまっ・・・・」
抱き寄せられたりはしてなかったから、突き飛ばして離れる。
「なに考えてんねん!!」
「禁欲生活の前のキス」
にっ、と笑ってほざくコタロー。
「誰か見てたらどないす―」
まくし立てるオレの口唇にコタローの指が触れる。
「・・・?」
そして、そのまま抱き締められる。


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