振り向けお前っ!12話〜旅行 最後 夏の夜後編〜-1
午後やってた宿題もだいぶ落ち着いた
・・・・と思う、
薫が無事に帰ってきてからは、全員がスムーズに事が成せ、普通の人並みのノルマは終わった。
阿佐美も満足言ったような顔をして
「ふふーん♪今日ははかどったわー。」
などと陽気になっていた。
その後の俺たちは、夕食に最後だからと言って。
今度は幸宏の力を借りずに全員で仕事を分担して
何ともありきたりだがカレーライスを作って食べた。
評判は結構よかった。
作ってる最中にいろいろアクシデントはあったが、何事も無事に終わってよかったと思う。
みんなが食事を食べ終わってから、悠太は片付けを買って出た。
そして今に至る。
「わざわざ手伝ってくれなくてもよかったのに。」
「私こういうの好きですから。」
自分一人でやるつもりだったが、愛華も手伝うと言って一緒に片づけていた。
「・・っと、さてと、全部片付いたかな。」
「ええ、もう洗いものとかもないはずですけど。」
「よし、じゃあ始めますか。」
というと、悠太は鍋を取り出し、何やらやろうとしている。
「悠太君?何するんですか?」
そう言えば最近になって気づいたことがある。
愛華は俺と2人きりの時又は俺にしか声が届かないとき
よく悠太君と言っている気がする・・。
思いすごしかな?
そんなことを考えていたので、愛華の質問に答えないでぼーっとしていた。
「あの・・悠太君?」
「あ!あぁ、ごめんちょっと考え事してた、で何だっけ?」
「いえ、これから何をするのかなと。」
「薫は今日何も食べてないだろ。だからお粥でも作ってあげようかなって。」
そう、薫は熱を出して寝込んでしまって今まで何も食べていないのだ。
だから少しでも何か食べないと体が持たないんじゃないかと思い、悠太は薫にお粥を作ろうとしていた。
「ああ、そうだったんですか、・・そうですよね、薫さん、朝から何にも食べてませんでしたね。なら、私もお手伝いさせてください。」
「あ、うん。頼むよ」
そうして2人でお粥を作り始める。