振り向けお前っ!12話〜旅行 最後 夏の夜後編〜-6
「分かりました。」
その一言だけ。
「ありがとう。」
そして、悠太も一言返す。
そして互いに部屋に戻っていった。
部屋に戻った愛華は悩んでいた・・。
まだ2ヶ月くらいしか一緒に居ない相手からの告白だ、しかし理由が理由なだけ、答えを出すことができそうになかった。
だって・・・自分も悠太のことが好きだったから。
「・・・・私は・・・・どうすれば。」
そう言って愛華は今までのことを思い出す。
廊下で初めて話したとき。
それから自分を一緒に昼食に誘ってくれて、今の皆を紹介してくれたこと。
ここら辺から愛華の気持が動いていた。
そして、自分の過去を話した、悠太のことを気にし始めた。
今この別荘を貸しているのだってそうだ、悠太の頼みだから貸している
そして、何より、今日までだ、今日まででいろいろ惹かれるところがあった。
海のときだって・・・。
自分に嘘をついてまで阿佐美を応援するのかそれとも、自分もちゃんと気持ちを伝えるべきなのか・・・。
どっちにしろ、つらい結末が待っていることだろう・・。
それだったら自分だけが、その結末を迎えた方がいいのかもしれない。
でも私は・・・・。
「分からない・・。分からないよ。悠太君。」
その時・・・誰もいないと思った部屋の中で。
扉の外に・・・悠太がいた。
もう一つ伝えたいことがあったのを思い出したのだが、ノックをしようとしたら聞こえてきた言葉に、悠太も戸惑いを感じた。
もしかしたら自分はああするべきではなかったのかもしれないと・・。
このままここにいるわけにもいかず引き返して行った。
ちゃんと答えが返ってくることを願って・・・・。
そうしてそれぞれの夜が明けていく。
夏はまだ・・・・
始まったばっかりだった。
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