振り向けお前っ!12話〜旅行 最後 夏の夜後編〜-2
と言っても簡単にできてしまうので、そんなに時間はかからなかった。
「薫は今、別室だっけ。」
「そうですね、じゃあ持って行ってあげましょうか。」
愛華に言われて、薫が寝ている部屋へと作ったお粥を持っていく。
コン、コン
「薫入るぞ。」
ドアを開ける。
中では目を覚ましていたのであろう薫が起き上がっていた。
「あ、悠太君、愛華さん。」
「体調はどうですか?」
愛華がやさしく微笑んで言う。
「ええ、朝よりはだいぶ良くなりました。」
「ならよかった。」
と愛華の代わりに悠太が返事をし
「ほら、朝から何も食べてなかったでしょ。食欲があればでいいから、お粥作ってきたんだ、食べてくれ。」
「ありがとうございます。」
と、お礼を言う。
「それじゃあ、あんまり長居して負担掛けるのも悪いから、俺はもう行くね。」
「私も失礼します。」
「あ、2人ともありがとうございました。」
気にしないでいいからと一言言って悠太は部屋を出る。
愛華も明日は元気なってくださいねと言って悠太の後に続く。
誰もいなくなった部屋で、薫は横に置かれたお粥を一口食べる。
「・・・おいしい。」
美味しかった。
部屋を出た悠太と愛華はそろそろ自室に戻ろうかと話していた。
「それじゃ。」
「・・・・・・はい。」
差最後の別れ際、愛華が少し暗い顔をした気がした。
少し気にかかっていたが、大丈夫だろうと自分で解釈した。
後は入浴後寝るだけ。
そして部屋に入る。