今夜、七星で Tsubaki's Time <COUNT2>-12
「ユースケ君はっ…こういうこと、樹里に教わったの…?!
辛そうにしてたら無理矢理セックスしろって教わったの?!」
ユースケ君にそんなひどい言葉を浴びせる。
樹里がそんなこと言うはずないし、ユースケ君もそんなことを思ってしたはずはないって。
だけど…
「…そうだよ」
一言、そう言った。
「―――樹里さんは…どんなに辛い顔してても、苦しそうな顔してても、絶対に何も言わない。だから…体つなげるしかないんだよ!」
ユースケ君は、泣きそうな顔で、あたしにそう言った。
涙が目からこぼれ落ちるのを、我慢してるのがわかった。
「…ごめん、椿さん」
そんな言葉を言い残すと鍵を外して、トイレの個室から出て行くユースケ君。
ユースケ君のさっきの言葉で、樹里との関係がただのセフレではないって思い知らされた気がした。
いや…むしろ割り切っているのは樹里だけで…ユースケ君は…
そんなことを思いながらしばらく、個室の中であたしはたたずんでいた―――