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コンビニ的恋愛
【青春 恋愛小説】

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コンビニ的恋愛-2

−引退して一ヶ月。今日も快晴。
でも、ボーッとしてはいられない。
受験生の現実が、そろそろのしかかってくる。
とりあえず苦しまぎれに左手に参考書を持ってみる。
でもお菓子を食べる右手ばっかり活躍中。
「これおいしいね」
ユミちゃんがポツリと言う。
「うん。期間限定なんだって」
スターランに行くのが、すっかり日課になった今。
あれから麻木と五回会った。いまだ状況に変化ナシ。
会えば話すから、仲イイといえば仲イイ。
でも、必要以上じゃないから、ただの知り合いといえば知り合い。
さらに言ってしまえばただの礼儀…。
麻木って陸部のときからリチギだったし。
後輩の子にもちゃんとあいさつするし、掃除もサボんないし。
こんなにいい奴だって知ってるのに。あんなに話すチャンスあったのに。
なんで今頃になってからきづくかなぁ。
……。
…ん!?
きづくって何に?え?え?えぇえ?
「どーしたの?なんかさっきから変だよ」
ユミちゃんが変な顔して私を見る。
「あ…数学で難しい問題でてきちゃってさぁっ」
とっさに参考書のせいにした。
結局、麻木の話ユミちゃんにできてない。一番の友達なのに。
話したいけど、話せないみたいな。
好きかどうかもわかんないのに、言うのもどうかと思うんだよね。
あ、でもユミちゃんからも恋バナって聞いたことないかも。
好きな人いないのかなー?
「ねぇ、知ってる?」
ユミちゃんがついに参考書をほうり投げた。
「何?」
「詩織ちゃんね、宮田の次の彼氏と別れたらしいよ」
「早っ!」
他の人の恋バナはするのにな。
「でね、なんかもう別に好きな人できたらしいよ」
「うわ〜」
情報仕入れんの早いし。
「でね、でね!それがなんとさぁっ!……」
「もぉ!誰よぉ!」
かわいいし、モテそー…。
「麻木なんだって!」
……。
え…。
急にでてきた名前にびっくりして止まってしまった。
違うこと考えながら聞いてたから、頭がついてかない。
ユミちゃんが不思議がってる。
ヤバイ。普通にしなきゃ。
「麻木って…陸部の?」
「そうそう!仲良くなかったし、びっくりしないかー」
「…ごめんねー!リアクション悪かったよねぇ」
大丈夫かな。笑顔ひきつってないかな。
「麻木って普通だけど、イイ奴じゃん?けっこうモテてたしさ」
「…そうなんだぁ」
「彼女いないらしいけど、詩織ちゃんに告られたらわかんないよね」
「そうかな」
「だってあのかわいさだよ?誰でもいくでしょー」
「そうかな…」
「前にテレビで見たけど、男って『かわいい=好き』なんだって」


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