エリザベス・悲劇の人形たちT-4
今日から暮らす私たちのお部屋!
広くてオシャレで、とってもステキ!
ママとの楽しい生活、ワクワク!
ママ、よろしくネェ!
思う存分、ハシャぎ始める子供人形たち。
自分たちのステキなお城に大喜びなのだ。
サァ、初めての食事の時間である。
既にセッティングされた人形用テーブルに着く子供人形たち。
温かい肉スープがタップリと入った子供人形用カップが配られると…
子供人形たちは勢い良く飲み始めた!
何倍も何倍もおかわりである。
「カワイイ、コドモタチ、スープ、オイシイ?」
「オイチイ! オイチイ!」
大満足の子供人形たち。
この時、マルセルは席が一つ開いている事に気が付いた。
子供人形たちの人数を数えてみる。
1、2、3、4、5…
…29
あらッ!?
「エリザベス、一人足りないわね!」
「エ?」
外の方に振り返るエリザベス。
すると…
「ウィアーンアーンッ!! ミャーミャーッ!!
ミャーミャーッ!!
ウィアーンッ!!」
ケースの方から子供人形の泣き声がして来た。
マルセルが行ってみると、おやおや。
1体の子供人形がケースの傍で床の上に寝そべったまま、足をバタバタさせているではないか。
笑いながらマルセルは、そのコを抱き上げる。
「エリザベス、いるわよココに!」
「ウィアーンアーンアーンッ!! ウィアンッ!!
ウィアーンッ!!」
マルセルに抱かれても、そのコはまだ泣きっぱなし状態!
マルセルの傍に歩み寄ったエリザベスは、そのコを受け取る。
「カワイソウニ」
マルセルは手紙と一緒に同封されているパンフレットを見てみた。