熱血的な乙女?-2
「こっ…こいつ…!!」
俺は刀をゆっくりと引き抜き、刀を下に振って軽く血を少し落とす。
「言っとくが俺を倒そうとするならせめて百人連れてきな」
「何を偉そうに…」
山賊の言葉を無視し、布を取り出して剣に付いた血を拭き取り、また一本だけ鞘に収める。
「お前達はそこらのゴロツキとはまぁ違うだろうが…所詮は素人が剣を振ってるのとかわりないクズだ」
「なんだとこら!」
「もう一回言ってやろうか?クズって言ったんだよクズ」
「このやろう!殺れ!」
リーダー格は手下どもと共に一緒に突っ込んで来た。
「お前達は美麗より阿呆だな…」
一言そう放ち応戦したのだった。
十分後…
俺の周りには呻き声を上げて倒れているやつと、もう声がでてない山賊達で転がっていた。
「はぁ…厄介だな…」
こいつらの事をクズと言ったがあれは単なる挑発で倒しやすい状況を作ったにすぎない。
実際は俺にとっても少しばかりきつい状況であった。
それにこいつらは村を襲ってる山賊の一味だろう。
っとなるとだ…
連携の取れた二百人の山賊相手にどうやって戦えば良いと思う?
ここまでくると少々所ではなくかなり厄介だ。
さっきみたいな戦い方をしてれば体力を消耗して負けるのが目に見えてる。
一人でやって勝てるかどうか…。
俺は美麗を戦う頭数に入れてなかった。
剣に付いた血を拭き取り鞘に収め、きょとんとした顔をしている奴の元に歩み寄った。
「おい…何を惚けてる?」
両手を地面につき、ボケっとしている美麗に手を差し伸べる。
なんともまぁ…阿呆ずら…。
「そち…こんなに強かったのかと…」
少々ぶう垂れた顔をしつつ俺の手を取る。
「こんなもんで強いなんてまさか…」
「十分強いであろう?」
「俺はこんなのじゃあ満足してねーよ」
「なんとも強欲な…」
「思う事には全然良いだろう?それにだ」
自分の手の甲にできた切傷をぺろりと舐める。
「これで満足してるようでは強くなれないぞ?」
っと目線を手の甲から美麗に移したら俺の手を見ていた。