冷たい指・女教師小泉怜香 A-3
「消毒」と言った彼の言葉の意味が、ぼんやりと理解出来た気がした。
延々と繰り返される甘い口づけ。優しく動き回る亮の舌に、いつしか私は夢中で自分の舌を絡めていた。
亮の指がゆっくりと私のシャツのボタンをはずしていく。
徐々にあらわになる胸元に、亮の冷たい指が微かに触れる度、身体中にビリビリと甘い電流が走った。
着ていたシャツを取り去られ、そのままベッドに押し倒される。
本当にいいのだろうか……。
生徒とこんなことをして……。
亮はやっと唇を離し、私の身体に熱を帯びた下半身をぐっと押し付けながら私の目を覗き込んできた。
「……怖いの?」
全て見透かしたような亮の眼差し。
「……だって…マ…マズいじゃない?……教師と生徒で……」
教師の立場でありながら、私は目の前の17歳の少年に全てを委ねようとしている。
私はなんてズルイ女なんだろう―――。
亮は一瞬ハッとするくらい冷めた表情になって、私にこう答えた。
「セックスに……意味なんてないよ―――」
「………え?」
その言葉の意味を問い直す前に再び唇を奪われた。
今度はさっきよりももっと淫靡で、意地悪な舌使い……。
『俺とセックスしよう―――』
そのキスが私の本能に語りかけてきた。
私の内側を引っ掻くように、尖らせた舌先が唇の裏側をめくりあげるように舐めていく。
身体が痺れるような危険なキス―――それで私を無抵抗にしておいて、亮はフロントホックのブラを片手で難無くはずした。
『――随分…女慣れしてる……』
その直感に半分は救われた気分になったが、残りの半分は思ったより深い傷を負った。
―――馬鹿な私。
相手は生徒なのに――。
ふるんと飛び出した柔らかな乳房。
男性にこんな風に胸を晒すこと自体が久しぶりすぎて、どんな顔をしていいかわからない――。