軟禁五日目―性欲、倒錯、異常な愛情-8
熱くなった。
絶頂に追いやられ、立ってなどいられない。
それでも手首を庇うべく、リーナスは何とかその場に立っていた。
欲望を満たしたデミアンは、リーナスの足元に腰を下ろして、暫しその余韻に浸っていたが、やおら立ち上がってリーナスの手錠を解いてやった。
瞬間、がくんと彼女の膝が折れる。コンクリートの床に突っ伏し、リーナスは息を吐いた。
そしてそんな彼女の元に、デミアンはいつものようにスープの入ったブリキの皿を置いた。
一日に一度の食事は、デミアン自らが持ってきていた。
「………」
食え、とでも言うようにデミアンが軽く顎を上げた。
スプーンなどはない。
おそらくデミアンがこの食事を部下に運ばせないのは、その姿を見たいからだろう。
初めは屈辱で口をつけようとしなかったリーナスも、今では素直にその命令に従っていた。
「……ん」
まるで犬だ。雌犬だ。
思いながらも、リーナスはスープに舌をつける。
――今のこの格好だけではない。
発情した獣のように朝から晩までまぐわうその姿は、正に雌犬だった。悔しいのは、それが快感だと感じてしまう自分。デミアンの言う通り、心も雌犬に成り下がってしまったのだろうかと、虚ろな頭で思う。
スープを舐め啜るリーナスの姿を、デミアンは満足気に見下ろしていた。