reality ability‐第10話‐大いなる歓迎会、タナトス!!‐-1
‐冥界、天界への道‐
6人は冥界に行く為の途中である道を歩いていた。ここは天界と冥界を繋げる道である。そして‥‥ここは死者が通る道。
「‥なぁ、なんでここにいるんだ?」
誠慈が言った。不満を感じているようでいない。何故なら、誠慈も一応“神”だ。ここの事を知っていても不思議ではない。
「開くと言ったが、天界から冥界へはこう行くはずだが?」
皇希が答えた。やはりというか、当たり前のように知っていた。
「‥‥そうなのか?親父。」
凰輝は真剣な顔で答えた。
「ああ。人間界から冥界へは一瞬で行けるが天界からだとこうなるんだ。‥‥司義莉様なら理由を知っているようだが。」
凰輝はここに来る前からの、冥界の門を開く前からずっと上の空の織音を見た。
「‥‥‥‥‥ん?何かしら?」
織音は全然聞いてなかった。皇希以外は様々な顔で見る。
「‥‥いや、いいです。何でもないですよ。」
凰輝が言った。
「‥そう?‥‥悪いけど、考え事しているの。話し合いには参加出来ないわ。」
織音が少し申し訳なさそうに言う。
「‥‥皇希くん関係ですか?」
凰輝が聞く。
「‥‥そうよ。」
織音は横目でチラッと皇希を見た上で言った。
「解りました。‥‥では、ゆっくり考えてください。織音様じゃないと皇希くんは心を開いてくれませんからね。」
凰輝は織音を高く評価していた。それは優秀な才能を持っているのとは違い、“神の王である皇希”の事には自分では及ばないと思っていた。
織音には皇希との仲は運命以上の“何か”があると凰輝は思っているのもあるだろうとも感じていた。
「‥‥‥。そうさせてもらうわ。」
織音は言った後、また皇希をチラッと見た上で考え始める。
「‥‥‥」
皇希は何とも言えない表情だった。怒っているように見えるし、笑っているようにも見える。6人全員はそこで喋るのをやめた。
6人は道を歩いている。まだまだ先は長かった。かなりの距離が残されている。