振り向けお前っ!11話〜旅行 最後 夏の夜前篇〜-8
「愛華はどうする?」
「わ、私ですか?私も特に用事ってものもないですし。いいですけど・・。」
そう言いながら悠太と阿佐美を気にするように見る。
「・・どうした愛華?」
「あ、いえ、何でもありません。」
そんなことで、この後は宿題ということになった。
さすがに3人は気まずすぎるので、輝たちも無理やりに参加させて・・・。
「何で俺まで参加しなきゃならないんだ!?まだ休み始ったばっかりだぞ!」
進一は文句たらたらだった。
「諦めろ、進一。」
「・・・・くっ。」
そう言ったあと全員の視線が俺に向いた。
「ん?どうした?」
「あんたは、用意もせずに何をしようというわけ?」
全員を代表してか阿佐美が俺にそう問いかけてくる。
「・・・・前、言わなかったっけ?俺もうほとんど終わってるって。」
「はぁ!?お前おかしいだろ、ここに来るまでって1日しかなかったじゃないかよ。」
進一が突っ込み
「いやこの後いろいろ忙しくなりそうだったから、先にやってきただけだよ。」
「・・・・どうかしてるわ、こいつ。」
阿佐美が呆れる。
よくよく見ると、いつものペースを取り戻しているみたいだった。
ほかの2人は、もう言葉もでないようだった。
「まぁ、そういうことだ分からないところがあれば教えるよ。」
そう言うと、全員で囲んでいるテーブルに自分も混ざろうとして、あいてる席を探す。
なぜか阿佐美と愛華の間しかなかった。
仕方ないのでそこに座る。
今一番座りたくない席だった・・・・。
しばらく、静かにやっていた。
昼に近くなってきたが、薫のことで、みな昼食どころではなかった・・。
不意に阿佐美が口を開く
「幸、遅いわね。」
「・・・・だな、混んでるのかな?」
進一が軽く言う。
「それとも、時間が掛かるような状態?」
それに続いて悠太がいう。
その瞬間、重い空気が漂った。