振り向けお前っ!11話〜旅行 最後 夏の夜前篇〜-6
「しかし、よく気づいたな、熱出してるの。」
「え?あ、うん。いつもならとっくに起きてる時間だしさ、それになんか息が荒かったから。」
そこまで聞いた後、幸宏が部屋から出てくる。
「おーお、皆、お揃いで。」
「おはよう、幸兄。」
「おはよ、悠太、で、あと3名ほどはどうなさった?」
薫はともかく、阿佐美のことはどう伝えるか困ったので。
「一人は引き籠り、もう一人は高熱で部屋にいるよ、そしてあと一人がその高熱者の看病。」
と、言っておいた。
「ははぁ、さしずめ阿佐美が引き籠って、あとの二人がそうか。」
たぶん誰が聞いても阿佐美は熱を出すことはないだろうと思う。
今までの行いを見ていればだからこそ。
「・・・よくわかるな。」
とりあえず、言うだけ言っておこうと思った。
「悠太たち3人と伊達に長く付き合ってないからね。」
「はぁ・・。」
と嘆息をついて苦笑する。
「まぁ、阿佐美はほおって置いても良いとして、熱の方は大変だな・・。」
そう言うと幸宏は、薫たちがいる部屋の前まで行って。
「入るよー。」
と一声。
そのまま部屋の中へ入っていく
しばらくして愛華が出てきて。
「今、幸宏さんが看てくれています、それで、病院へ連れて行くみたいなので、今日は戻ってくるまで家で待機だと。」
「分かった。」
やはり、保護者役なだけあってしっかりしている。
しばらくして、幸宏が薫とともに別荘を出ていく。
「じゃー行ってくるから。」
「いってらっしゃい。」
と返事を返すと、また室内が静かになる。
「・・・・・何しようか?」
悠太が口を開く。
かといって全員やりたいものがないため答えが出てこない・・・
時間が一刻一刻と過ぎていく