振り向けお前っ!11話〜旅行 最後 夏の夜前篇〜-5
「何か悪いね。」
「いいんですよ、何よりこうすることが楽しいのですから。」
そして、いただきますと言って。
食べる。
「うん、おいしい。」
「今日は時間ありましたからね。」
そう言って笑いあう。
しばらくして食べ終わると。
「さて、薫がちょっと心配だな。」
「そうですね、見に行ってみます?」
そうだね、と呟いて席を立つ。
進一達がいる部屋つまり阿佐美と幸宏以外が全員いる場所。
悠太達が様子を見に来た頃には、薫は、だいぶ落ち着いて寝込んでいた。
「とりあえずは、平気そうだな。」
そう言って薫の額に手を当てる。
「これはまた・・熱いな。」
「僕も最初びっくりしちゃった。」
そこでおもむろに悠太が体温計を取り出す。
「あったのかよ。」
と、進一がつっこみを入れる中。
「あー愛華、やってくれる?」
「え?いいですけど、でも何で?」
「いやほら、薫、女の子だから。」
そう言うと何かを察したように頷いて
ささっとやり始める。
2,3分しただろうか。
体温計を取り出すと。
「・・・39.1°」
「大丈夫かよ。」
「とりあえずここは私が看てますから。」
「分かった、ほら輝、進一出るぞ。」
そう言って引っ張っていく。
部屋を出て。
「そう言えば川谷は?」
「あいつはピンッピンしてるよ。」
「ま、そうだろうな。」
わかってるなら聞くなと呟いて輝に話を振る。