想いのいきつく果て〜Final〜-11
「……い…つ?…」
しのから出た言葉が震えている。
「いつだったかな、しのくんも頑張るなら私も頑張らなきゃって思って。でも彼女の妊娠知っちゃったから言えなくて…」
しのの抱き締める腕が更にきつくなった。
「しのくん、苦しい…」
「ええから……それに彼女やないし…彼女は紘子やろ…」
「う、うん、そうなんだけど…」
いつもと違うしのに戸惑っていると、頭に冷たいものが落ちてきた。
「しのくん?」
「……かっこわりぃ…ごめんな…もうちょいこのままでいさせてな…俺今めっちゃ幸せや」
いつもは強くてしっかりしたしのが、肩を震わせながら泣いていた。
涙交じりのしのの声に、愛おしさが膨らみ、自分の腕をしのの背中に回した。
ずっと…
切なかったんだよね
苦しかったんだよね
それなのにいつも私を第一に考えてくれてたしの。
どれくらい抱き合っていたんだろう、不意にしのがキスをしてきた、服の袖で涙を拭ってから。
「…記憶のある中で女に泣かされたん初めてや」
いつもの笑いをしながら呟くしの。
「責任とってな…」
言葉と同時にしのの腕が伸びてきて、後頭部を引き寄せられキスが落ちてきた。腰を抱かれ、顔の向きを変えながらお互いの体温を確かめながら…
何度も。
「今日、やばい…ひろのこと壊したらごめんやで」
色っぽい顔で囁かれる言葉に私の心臓はショートしそうだ。
しのの舌先が唇をなぞった後、口内に入り暴れる。
絡み合う舌は、息つく間もないほど激しさを増していく。
何度もお互いの想いをぶつけ合うように交わされる。
「あっ……」
耳たぶにキスを落とされ、しのの熱い吐息が耳を刺激した。
身体中に痺れが伝わる。
「久しぶりにひろのやらしい声きけた」
耳元で囁かれる言葉に更に甘い感覚が駆け巡る。
「…だって…あ…」
「今日はいっぱい鳴いてな」
そう囁くと紘子の唇に噛み付くような激しいキスをした。
もう俺自身抑えがきかない。
紘子を押し倒し、首筋、胸へと舌を這わせ自分の印をつけていく。身体中のいたるところに…
紘子は俺のもんやから…
やっと手に入れたから…
体に触れるごとに甘い吐息がもれる。
微かに肌が赤く色づき、紘子の顔が快感で歪む。
その顔が俺の心臓をヒートアップさせる。紘子は無自覚なんだろうけど…