電波天使と毒舌巫女の不可思議事件簿 ―追憶編―-1
ダルい。
小林真琴は原因不明のダルさに襲われていた。喉や関節の痛みはどうも風邪の症状に近い気がする。
「熱測るといいですよー」
白くてネコっぽい謎生物が体温計を持ってきた。脇の下に差し込む。
「美由貴には部屋に入らないように言っときますですよ、ヒドくなったらえらいことです」
「ありがとプクト」
ピピッと電子音が鳴った。出てきた数字は37.6℃。
「ちょっと高いですねー。お薬お願いしてきますです」
「うん、お願い」
ふわふわとプクトは真琴の部屋を出ていった。熱っぽい感じが不快だ。目を閉じるがやたらと喉が渇いて眠気がやってこない。
「明日なのになあ」
明日は両親の命日だ。
目を閉じて、あの日を思う。