僕らの関係 最終話 いつも隣に……。-7
「あたしか?」
「恵は……レイプされそうになったし……」
――あはは、男が女にレイプされるなんてばっかじゃない?
「だってさ、コウ、可愛かったぞ」
「ふんだ、恵だって可愛かったよーだ」
――私は? 私はなんなのよ……。
放課後にいつも残って貧相な逸物を咥えてあげた。自ら進んで飲み干してあげたのに、彼は別の女に気をやっている。
つまり、自分は余った精子を吐き出すための便器に過ぎないのだろうか?
「んでもさ、かなり上手だったぞ。やっぱ由香のせい?」
「いや、それは、だから……」
「里奈ね、ユカリンには負けたくない。コータのこと、もっと気持ちよくさせてあげたいし、それに、好きになってもらいたいよ」
「りっちゃんも好きだよ」
――また「も」? きっと私「も」で、恵「も」なんでしょ?
「初めては里奈で、次が由香? んで、あたしが三番か……なんかムカつくな。里奈より後ってのがな」
「いや、だから……」
「なあ由香、いつまで狸寝入りしてるんだよ。一緒に話そうぜ? コウのチンコを咥えたもの同士さ……」
「私……してもらってないよ……」
こぼれる涙を止めることなど今の彼女にどうして出来ようか?
由香は真っ赤に泣きはらした顔を恥じることなく三人に見せた。
***―――***
羞恥とは違うかもしれない。
愛する人と結ばれるまで純血を守るといえば美談にもなる。
嫉妬だろうか? さもなくば裏切りかもしれない。
四人はいつも一緒。隠し事などなく、寄り添い、助け合ってきた。
だからこそ、陰でこそこそとつがいの小動物のように寄り添う姿など、想像したくない。
しかし、彼は二人を抱いていた。
君「も」好きという気持ちで。
――赦せない。
あの日触れた唇は既に女と触れたもの。ゴム越しに触れた彼のモノは既に女を知り、快感を分かち合っていたのだ。
自分が愛おしくしゃぶっていたのは、彼女らの愛液のこびり付いた浅黒い肉棒。
苦く青臭い、喉に絡みつくものを何故嚥下しておきながら、ただの性欲処理でしかなかった。
――バカみたい。
陰茎を咥えて恋人気分に浸っているなどと、恥女のそれ。清楚を装いながら、日々勘違いの度合いを深めていった。
つまりは肉欲のはけ口……。