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僕らの関係 プロローグ きっかけ
【学園物 官能小説】

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僕らの関係 最終話 いつも隣に……。-19

「な、そんなこと言ってない!」

「恵、オレの子を産んでくれ! とかな」

「もう、恵まで!」

「でも、私にも言ったよね、赤ちゃん作るってさ」

「うん。言った。だって由香ちゃんのこと、本当に好きだもん!」

 調子よく抱きついてくる彼は甘えたい盛りの幼児のように瞳を輝かせており、すっかり毒気を抜かれてしまう。

「うん。私も幸太ちゃんのこと、大好き……」

「里奈もー!」

 今度は里奈が飛びついてくる。

「ちょっと里奈まで……って、や、だ……め」

 可愛らしいと評価している彼女の顔が近づいてくると、例え同性でも嬉しくなる。

「んちゅー」

 里奈の唇はとても柔らかく、濃厚なカカオの香りと甘さがあった。お菓子作りの天才である彼女だからだろうかと思いつつ、そう言えばデザートのアイスケーキはチョコレートだったはず。

「里奈、ケーキ食べたでしょ」

「えへへ、おいしそうだったから」

 にんまり笑う彼女を見ると、幸太がその誘惑に耐えられなかったのも頷ける。もっとも赦すかどうかといえば別なので、彼女は思い切り彼のお尻を抓る。

「い、痛いよ由香ちゃん!」

「罰だもん。浮気ばっかりする幸太ちゃんへの罰」

「そうだなあ。由香にも罰を与えないとな」

 恵は落ちていた布団を背負いながら彼女の脇に座り、そのまま四人を覆う。

「え? え?」

 両脇には恵と里奈、上には毛布と布団と幸太。

「由香は皆から愛されているっていう自覚が足りないみたいだし、この際はっきりさせておこうと思ってさ」

 四人で眠るには少々どころかかなり狭い。

「にひひ、ユカリンが悪いんだぞ」

「だ、だって、アレは酔った勢いだし」

「まあまあまあ、皆由香が好きなんだよ。だからさ、それいいじゃん」

 右腕に触る里奈の髪はこそばゆく、豊満な胸を押し付けてくる恵は柔らかい。そしてちょっとだけ逸れてくれた幸太は温かく、嬉しかった。

「……うん、そうかも」

 強引なピロートークに流され、由香は頷いてしまう。彼女はこの重く暑苦しい幸せを、今しばらく感じていようと思い、目を瞑った。


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