僕らの関係 最終話 いつも隣に……。-16
「だ、ダメだよ、こうたちゃん。ね、ちゃんとゴムしよ? セーフティセックスだよ。私達、まだ高校生なんだし……あ、やぁ!」
冷えた肩口に歯が立てられる。舌先とした唇の柔らかい愛撫も重なる。そして訪れる熱い肉棒。快感で緩んでしまっていた膣襞が目を覚まし、奥をジュンと潤ませながら、その筋ばったサオに絡みつく。
自然と両足も彼の腰周りに絡みつき、片方の手でしっかりと背中を弄っていた。
――な、ダメ。何考えてるの私! 今日は危険日じゃないけど、でも、だめだよ、あん……いい、流されちゃい……そ。
まだ潤滑油が足りないのだろうか、彼は動こうとしない。膣内で留まっているだけの陰茎だが熱を放ち、芯を暖めてくれる。ただそれだけの刺激にも関わらず、彼女は徐々に昂ぶらされていく。
――まさか、またイっちゃうの? だって私、さっき……え、やだ、嘘……だ、だめぇ……。
重なり合わさるのはなにも胸だけではない。呼吸、心音、気持ち。それらが同調したとき、彼女は低く肩を震わせる。
見せたくない。そう思った彼女は彼をきゅっと抱きしめ、その肩口に噛み付くことで声を抑える。
しかし、正直な膣襞は精を解き放とうとしない逸物を責め上げ、弄った。
気付かれているだろう。それでも必死に隠した。
「由香……」
「いってないもん。私、いってないもん……」
なぜかむしょうに悔しくなる。いや、想像できる。性行為を知る彼に翻弄されるのが悔しい。二人の女と睦みあうことで磨いた男でされるのが、悔しかった。
「動くよ……」
「え?」
幸太は腕で立ち、両足でシーツに踏ん張る。顎を逸らし、何かを必死に食いしばる幸太。
「あ、あああん! や、ダメ、イッタばかりなの、敏感……あのぉ!」
緩みきった膣を逸物で抉られる。まるで熱したナイフがバターに埋まるように、彼の腰の動きは滑らかだった。
「や、ダメ、だめなの、だって、ゴム、しないと、赤ちゃん、出来ちゃう!」
「いいよ、つくろうよ。僕と由香の赤ちゃん」
「そんなの、ダメだよ、だって、だって!」
理性では拒むものの、身体は正直に反応してしまう。投げ出した手は彼を拒むどころか、シーツを掴み、滲んだ血を広げてしまう。おなかを突き出して、その反動で股間を前に出す。彼の股間とぶつかることでパシンと小気味のよい音を立てる。
「由香だってその気じゃない。ね、いいでしょ? 僕と、由香の……」
耳元に迫った唇がふっと息を吹きかけてくる。真っ赤になっているだろう耳朶には心地よい刺激となる。
「ああ、いや……キモチイイよ、すごく……」
彼と自分の身体が心を蝕むと、拒む気持ちが薄れ、代わりにある妄想を膨らませる。
――幸太ちゃんの目、大きいし、可愛いよね。それに唇も赤くて綺麗だし、あ、でも鼻は私似じゃないと困るかな。それに女の子だったら、嫉妬しちゃう。だって、私、すごくそうだもん。