僕らの関係 残るヌクモリ。-7
「やだ、幸太ちゃん、怖い……ってば。こんなの嫌……」
いつの間にか涙が零れていた。それが耳朶を求める彼の頬にも触れると、乱暴だった彼の腰つきも勢いが無くなる。
「僕とエッチするの……や?」
「そんなことない。けど、今日は危ない日だし……」
「僕の赤ちゃん、嫌?」
――ああそうだ。セックスって子供作るための行為でもあるんだっけ。もし出来たらどうしよう。責任とってもらえるのかな?
「嫌って……そういう問題じゃないわよ。私達、まだ子供だもん。それなのに、子供作るの?」
「由香になら産んで欲しいな」
「だって、そんなこと……言われても」
「僕学校辞めて働くよ。そして由香と結婚するんだ」
――私は大学に行って、バイトとかサークルとかして、色々したい。けど、幸太ちゃんと一緒になるのは……。
「嫌?」
二人で町を歩く。その間に小さな子が一人。目は彼に似て鼻は自分に似ていたらいい。
――一人っ子だと寂しいからもう一人欲しいな。でも中卒の幸太ちゃんにそこまでの甲斐性、あるかしら?
想像の中ですら幸せを想像できない性格がいやらしい。
「困らせちゃった? ゴメンネ、由香ちゃん。えへへ、ちょっと言ってみただけ……」
幸太は照れ笑いを浮かべると、頭をぽりぽりと掻き、身体を離す。
「ダメ……。やめちゃ……」
「でも……」
「だって、私幸太ちゃんの赤ちゃん欲しいもん」
「由香ちゃん」
「だけどセックスはダメ。高校ぐらいは出てもらいたいし、ちゃんと仕事とか見つけてもらわないとヤダ。……でもね、セックスの練習はしときたい。だから、続けて……」
「うん!」
まるでママゴトのような会話を終えると、ハキハキとした返事で幸太が戻ってくる。彼は勢いの衰えないモノを彼女の縦筋に押し当て何度も往復する。
ベッドがきしみ、キィキィと音を立てる。間抜けな反復運動は見かけによらず、どんどん快楽を積み上げていく。
シーツを這い回る手が強い力で握られ、酷く痛む。小声で「強い」というと、彼はその手を離し、代わりに顎に触り、唇を求めてくる。
――まだキスしてないんだよね……。星空の下で見詰め合いながらが良かったな……。
そんなオトメチックな夢を見ていた頃もあったが、彼の唇より先に下のモノを咥えた自分が見るものでもない。それでも、彼が子供を欲しいといってくれたのなら、それなりの愛もあるはず……。