僕らの関係 残るヌクモリ。-6
「由香ちゃん、由香ちゃん……、僕、すごく気持ちいいよ」
息を荒げて自分に覆いかぶさる幼馴染。子供の頃はよく恵に苛められてピーピー泣いては彼女の胸に鼻水をつけながらしがみ付いてきた。その時は今よりもっとしつこかったし、甲高い泣き声が耳障りだった。
まだ声変わりすらしていないと思われる彼のボーイソプラノが必死に重低音を出そうとするが、風邪をひいたようなしわがれた声にしか聴こえない。
「そうなの? だけど、私……やぁ……だめぇ……私、なんか出ちゃいそう……」
体の力が抜けていくのを感じる。自分のものでありながら、他人に支配されていく。
――私は幸太を感じているの!
恍惚の時を共有できる幸せに浸りながら、由香は不自由になる身体に満足していた。
「由香、いいでしょ? すごいいいでしょ? もっと気持ちよくなろう? 一緒に……ね? ね? ね?」
――また。何時から幸太ちゃんは私を呼び捨てにするようになったの? それに、今日が初めてのはずなのに、すごく慣れているような。
ショーツに手が触れる。最初は亀頭が引っかかって捲れただけだと思ったが、こそこそと動き回るそれは幸太の指だ。
「あ、そこは……!」
自らの愛液に濡れ、快感に痺れていた大陰唇は捲られていたことに気付かなかった。小陰唇に触れられ、膣口に触れられ、初めて気付いた。
「ちょ、やだ、幸太ちゃん。今日はダメだよ? 女の子の辛い日なんだから」
「……はぁはぁ……由香……」
無理に微笑んでみせたものの、幸太は手のイタズラをやめようとしない。それどころか、さらに凶悪さをまし、一旦恥丘を駆け上がると、今度は包皮に隠れたものを暴こうとしだす。
「ダメだってば、そんなこと!」
脚をばたつかせるものの、膝の裏に回された腕に阻まれる。手首を掴まれると、変に捩れた格好のため力が入らない。ブラウス越しに胸を揉まれると、甘い息苦しさが沸き起こり、さらに身体が動かなくなる。
それを了解と取ったのか、鼻息を荒げたまま、幸太は顔を近づけ、首筋に舌を這わせる。
キスもしたことの無い彼女は、そのザラリとした感触に愛撫と知るにはまだ経験が足りず、快感よりも不快感を覚える。
「由香の、いい匂い……」
汗ばむ彼のくび周りはすえた臭いだけ。いわゆる柑橘類の匂いなど遠く、干したスイカの皮の臭いしかしない。
「あ、あっ……んぁ……や、ふぁあ」
なのに股間は相変わらず甘すぎる刺激を送っており、既に苦くすら思えるほど。
――幸太ちゃん……が、私の幸太ちゃんじゃない? 私の描いていた理想の恋はどうなるの?
陰茎を扱き、咥え、精を受ける。身体は許していないものの、それも時間の問題。
腕力ではまだ勝るものの、彼の放つ熱気に中てられたのか、身体も言う事を聞いてくれそうにない。