僕らの関係 残るヌクモリ。-37
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朝目が覚めるとベッドにいた。少し頭が痛いが、おそらく二日酔いだろう。慣れないアルコールを呑んだせいか、体もだるい。
隣では恵が可愛らしい寝息を立てている。いつの間に自分の部屋に戻ったのだろう。
「……ん、ふわぁああぁ……、こう、オハヨ」
「オハヨ。恵、昨日は……」
「幸太、結構がっしりしてきたな。重かったぞ」
眠りこけた自分を運んできたのは恵。その事実に急に恥ずかしくなる。
「ゴメン、恵……僕」
「気にするなよ。てか、エッチ、上手だったよ。良い思い出になった」
恵ははだけたままの幸太の胸元にキスをする。
――思い出か。恵は僕のこと好きっ言ってくれたけど、それって……。
「ささ、起きたら飯だ。コウ、急いで支度しろ、あたしを待たせるなよ!」
「は、はい!」
布団の中でお尻をつねられた幸太は、飛び上がるようにベッドを降りると、服も適当に来て、階段を転げるように下りていった。
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美雪は朝ごはんを食べた後「恵によろしくね」と「応援お願いね」と去っていったが、恵は二日酔いでだるいからと、お昼までベッドにいた。
それでも、卵粥はおいしいといってくれたのを覚えている。
――恵、いいにおいだった。
思い出に耽ると、やるせない気持ちが甦ってくる。
由香を押し倒しつつも、彼女と一つになれなかったこと。
――もっと強い気持ちで臨めばきっと。
幸太は一人、恵のぬくもりを思い出しながら、目を瞑った。
続く