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未完成恋愛シンドローム
【同性愛♂ 官能小説】

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未完成恋愛シンドローム - Crazy Children --3

「お前今日体操服持ってってへんかった?」
「うん」
「体育あったんちゃうん」
「あった」
「4限目な」
またゆーしが補足を入れる。
―ん?
「お前、まさか弁当喰った後に体育やったん?」
半分呆れながら聞いた。
「もち」
ニヤリと笑いながら答えるカイト。
ここ、笑うトコか?
「なにやったん」
つってもまぁ、おんなじ学年な訳だし、うちらとそう変わったことはやってないだろうが。
「校庭30周」
『・・・・・・』
沈黙が場を支配した。
「昨日オレらなにやったっけ?」
コタローに聞いてみる。
「雨降ってたから体育館でバスケ」
そういえばそうだった。
「オレらもやるんかな?校庭30周とか」
ペットボトルのお茶を飲みながら、コタローの方を見る。
まぁ、同じクラスとは言え、一応は女子の和葉は多分違う内容だろうし。
「多分やらんと思うけど」
『?』
ゆーしがポツリと言った言葉に、またみんなが反応する。
「なんで?」
「んー」
一瞬考えてから
「なんか授業始まる前からもっちゃん(体育担任の岡本先生)キレとってー」
「は?」「なんで?」
ゆーしの言葉に被るオレとコタローの声。
「知らん。んで、最初は校庭10周とか言い出してー」
「そうそう」
『・・・・・』
割と無体なその状況に、思わず顔を見合わせる、ゆーしとカイトを除く3人、
―ってゆーか、
「最初は10周やったん?」
「うん」
コタローが聞くと、カイトが答えた。
「なんで3倍に増えたの?」
今までなにも言わなかった和葉が口を開く。
「えーっと」「・・・・・」
明後日の方向を見ながら首を掻くカイトと、そのカイトを横目で見るゆーし。
「?」
「コイツが空気読めへんのが悪いねんて」
溜め息をつきながらゆーしが言う。
『・・・・』
いや、普段空気読めない発言を繰り返すゆーしに空気読めないって言われるってどーよ?
コタローと和葉もそう思ったらしく、沈黙したまま視線がゆーしに集まっている。
「いきなりもっちゃんに、オレ早弁して多分走ったら吐きそーな気ぃするんで休んでええっすか?とか言い出して」
『うわぁ』
またまた被る3人の声。
「で?」
取り敢えず話を促すコタロー。
「もっちゃんブチギレ」
まぁそうなるわな。
「んで、お前ら全員この時間中校庭走っとけー!って」
『うわぁ』
割と大惨事。
「つか、1限て30周くらいなん?」
ふと思って聞いてみる。
「さあ?」
パックの底の方に残った牛乳を、未練たらしく飲もうとしながらゆーしが答える。
「は?」
「いや、途中まで数えててんけど、めんどくなって止めた」
疑問の声を上げると、すかさずカイトが割り込んで説明する。


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