投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

春に生まれた彼女へ
【その他 恋愛小説】

春に生まれた彼女への最初へ 春に生まれた彼女へ 10 春に生まれた彼女へ 12 春に生まれた彼女への最後へ

愛しい君に、誓いのキスを-3

あの日、とてもおかしそうに笑う夕が、無性に愛しくなってしまって、思わずおでこにキスしてしまった。

―いつから、僕は、夕が好きだったんだろう。
きっと、夕を無意識に、抱き寄せて眠ってしまった時には、もう好きだったのかもしれない。
自分では気がつかないうちに。

元々、恋とか、愛とかには興味はなかったし、自分の気持ちにも疎かったみたいだ。
気がついたら、夕が傍にいる、それが心地よくて。

ニコニコと、嬉しそうに、夕が笑うと、僕はそれだけで、幸せな気持ちになれるんだ。


「あのさ、夕のこと、すごく好きだから」


そう口にしたら、とてもむずがゆくて、でもそれでいて、すごく幸せな気持ちになった。
ああ。本当に、ただ、ただ、夕の事が好きなんだって、再確認した。





ふっと、目を細めて笑う。

「―何か思い出していたのですか?」

「内緒だよ」

そっと、夕の唇を重ねて、啄むように、何度もキスをした。
下唇を、はむっと、甘噛みする。

「ぷはっ 唇、食べられちゃいました」

夕は、恥ずかしそうに笑う。
そんな彼女が愛しくて、僕は、ぎゅっと抱き寄せて、ヨシヨシとしてやる。

「朔さんは、彼女に、とってもあまーいですね」

「そうかな?よくわからないけど」

「前から、きっと彼女には、もっと優しいんだろうなって、思っていましたもん」

「そっか、優しくしてるつもりだけど、どうかな?…彼女さん」

「とっても満足です」

へへへっと、夕が笑いながら、言った。




夕なら、いくらでも、甘やかしてあげるよ。

君が、幸せそうに笑うなら、いくらでも。

誓いの代わりに、僕は、夕のおでこに口づけを落としたのだった。


春に生まれた彼女への最初へ 春に生まれた彼女へ 10 春に生まれた彼女へ 12 春に生まれた彼女への最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前