僕らの関係 学園祭-8
「どうしよっかな」
「ずるいよ由香ちゃん。いつも僕の見てるくせに、自分は見せてくれないの?」
「そうね。でも見ちゃってさ、我慢できる?」
「なんの?」
「エッチ……したくならない?」
「それは……多分、大丈夫……じゃないかも」
股間のテントは傍から見えるくらいにいきり立っている。
最近はほぼ毎日精を抜いているのにも関わらず、日を追うごとに勢いが強くなっている。それは第二次性長期の有り余る精力なのかもしれないが、一方で中途半端に刺激されることへの不満が溜まっているのかもしれない。
「やっぱりダメだよね。エッチなんてさ。コンドームも無いし、あはは……」
乾いた笑い声を上げる幸太を尻目に由香は鞄からピンクのお財布を取り出し、飴玉の袋のようなものを取り出す。
由香は跪く彼の隣に座り、窮屈そうな部分を開放する。そしてビニールを破り、輪ゴムのような縁を持つ半透明なものを彼の逸物に被せる。
「あ……、由香ちゃん、それ……」
「私がゴム持ってちゃ悪い?」
陰茎から沸き起こる熱をとどめようとする厚さ〇・〇三ミリの膜。
幸太は性行為を意識した。
由香を押し倒し、秘唇とキスを交わし、愛を囁く。自ら股を開いたら、その奥から蜜が零れたら、そしたら彼女と一つになれる。
昔見たラブロマンスの展開を妄想しつつ、幸太は由香の胸に飛び込む。
「ん、焦っちゃやだ……、もっとムードを作ろうよ。私達の初めてなんだよ?」
「だって……僕……」
泣きじゃくるようにブラウス越しに胸を弄る幸太。乱暴な手つきは痛いながらも、それだけ強い気持ちで求めてきていると思うと、由香の中で拒む気持ちがそがれてしまう。
「ん、もっと優しく……あっ、やぁ」
性的な興奮が一時的に胸を大きくする。ブラに突起が擦れると、掠れた声が漏れる。
――そういえばまだ見せてないんだっけ。今なら恵にだって負けないし、いいかな。
赤ん坊のように胸元に唇を這わせる幸太。唾液で汚されるのは考え物だが、人肌よりやや高い体温が伝わると、好きにさせたくなる。
「由香ちゃん、もう……いい?」
同級生に比べて荒れの目立つ手が、無防備な太腿を弄る。意外に濃い陰毛に触れられると、毛先を触れられたときよりも強い寒気を覚えてしまい、思わず身体を退く。
「ダメ? 由香ちゃん」
寂しげに呟く彼は大きく開いた瞼の上にハの字になった眉を添えている。
――幸太ちゃんはズルイ。だけど、全部あげたい。そしてもらいたい。
「いいよ。私、がんばるから」
――幸太ちゃんを私のモノにするために。
「うん……」
椅子に腰を下ろし、両足を開く。幸太は膝の裏に腕を回し、薄ピンクに濡れる膜に包まれた亀頭を彼女に差しだす。
スカートを捲くると、かすかに香っていたハズの饐えた匂いがより濃く香り立つ。
酸っぱく、少し汗の嫌な匂い。そして目眩を引き起こす中毒作用。