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僕らの関係 プロローグ きっかけ
【学園物 官能小説】

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僕らの関係 学園祭-6

***―――***

 学園祭は今週の土曜日曜。今日は水曜日で残り三日。午前中は授業があるので、残された時間はおよそ十時間を切っている。
 喫茶は季節ということで、ハロウィン喫茶「トリックオアトリート」に決定。オシャレな外聞だが、実際は教室を暗くしてカボチャをそれらしくくり抜き並べる程度。店員は黒いシーツに赤や青の裏地を安全ピンで留め合わせマントをつける。開催が近づくにつれて、クラスメートも協力的になるものの、半数以上は部活の手伝い、イベントの裏方に借り出される為、あまり凝ったこともできず、暗い雰囲気で誤魔化すことにしたのだ。

 放課後に交代で準備は、手先の器用な生徒がカボチャと格闘し、背の高い生徒がカーテンに縫い合わせた黒幕を取り付ける。
 教室の隅に衝立を運びこみ、レンジを隠し、ホットプレートの台座に魔女の大なべを思わせる看板を立てる。電源が不安なためタップを交互に差し替える必要があるが、テーブルの数を考えれば充分対応できる範囲。

 時計が七時を回るころには、ほとんど準備も終わっていた。あとはテーブルクロスの設置など、前日に行うべきこと。

「おつかれさま。だいたい終わったし、今日は皆帰っていいよ」

 由香が手を叩き、クラスメートにねぎらいの言葉をかける。
 最初はそこまで乗り気ではなかった級友だが、日が経ち、出し物が出来上がるにつれて連帯感がクラスに生まれる。普段は教室の隅で縮こまっている男子も、力仕事では女子をリードし、その存在感をアピールする。中にはすっかり良い雰囲気に発展しているカップルもいた。

 寄り添って教室を出る二人は人目がなくなったらきっと手を繋いでいる。少し前の由香ならそれを妬む気持ちでいただろう。だが今は、

「それじゃーおつかれー。皆気をつけてね」

 笑顔で送り出すことが出来る。

「由香ちゃん……いいかな」

 その理由は一つ。
 童顔の幼馴染とのいけない課外授業。

 ――私には彼がいる。
 性的な満足を満たすだけの恋心でも、コンプレックスを埋めるのに充分な出来事。

「まったく、幸太ちゃんは節操がないわね」

「ゴメンね。でも、今日もずっと我慢してたから」

 包皮を剥いているせいで彼の逸物は常に刺激の中にある。しかも、周りは女子ばかり。授業中ならまだしも、休み時間になればその甘酸っぱい匂いが、芽生え始めた男の欲情を刺激する。
 たまに休み時間に処理をすることもあるが、音楽室が練習で使われることもあり、他の教室でしようにも人目が気になる。
 結果的に放課後まで待つことになるが、それも学園祭の準備で後回しになる。

 準備の最中、なんども幸太の視線を感じた。
 彼は打ち合わせと称して由香を視聴覚室や別教室に連れ出そうとするが、彼女はわざとそれを拒否した。
 その時の彼の残念そうな瞳は彼女の嗜虐心を強く擽った。


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