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僕らの関係 プロローグ きっかけ
【学園物 官能小説】

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僕らの関係 学園祭-14

「里奈はコータに呪いをかけました。見にきたら解いてあげるね!」

 ニヒヒっと笑うと、彼女は衝立の裏で衣装を脱ぎ、制服に着替えて教室を出る。

「なんなの? アレ……」

 由香は頭に乗っていた犬の耳がずり落ちるのを直し、誰ともなしに呟く。

「さあね。ああいう脳内お花畑に騙される男子は気の毒ね」

「僕、呪われちゃったの?」

「んもう、ここにも一人騙されかけてるのがいるわね」

 箒が掠めた頭上をしきりに手で払う幸太に、由香は不満そうに呟いた。

***―――***

「……みんなよくがんばった。先生、正直驚いている。余ったのは明日の打ち上げにでも処分してくれよ。まあ、足りないだろうし、先生も奮発しようかな?」
 ホームルームでは担任の井口は予想以上の売り上げに上機嫌らしく、打ち上げに身銭を切る約束をする。
 明日は学校内での閉会セレモニーと後片付けだけで、午前中だけで終わり、午後は教室で余った食材でささやかな打ち上げを行う予定だが、ささやかな井口の労いで、多少は期待が持てる。

「それじゃあ今日はここまで。明日もあるから、今日は早く帰ってゆっくり休むように」

 連日の作業で疲れているだろう生徒達を気遣ってか、井口は説教じみた訓示もそうそうに切り上げる。

 教室にはひと時の開放感が訪れるが、部活の片付けなどある生徒はくたびれた身体を引きずり後始末に向かう。ただ、どこか達成感があるのか、その表情は明るく見え
た。

「コウ、由香、一緒に帰ろうぜ」

「恵はバスケ部のないの?」

「あんなのさっさと片付けちゃったよ」

「ゴメンね。僕たちまだしないといけないことあるからさ」

 実行委員である由香と幸太はまだ報告という仕事がある。帳簿を届けて収支報告をするだけなので五分とかからない。

「じゃあ待ってるよ」

「いいよ。遅くなりそうだしさ」

 ただ、二人には別の約束がある。

「そっか? じゃあいいや。また明日な」

 恵が全く疑う様子なく教室を出るのをみると、由香は笑いがこみ上げてしまう。

「それじゃあ幸太ちゃん、行きましょっか」

「うん」

 誰と競っているわけでも無いというのに何故か優越感に浸る由香。あまりに都合よくことが進みすぎると、かえって心配になる。

 ――そういえば里奈は何処へ行ったんだろう?

 一人ジャージのままでホームルームに出席していた彼女だが、チア部の後片付けの手伝いに借り出されているのかもしれない。今年は新入部員も例年より少なく、人手が足りないらしい。

 そう結論づけると、由香は人目を憚りつつも幸太の手を軽く握ることにした……。


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