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僕らの関係 プロローグ きっかけ
【学園物 官能小説】

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僕らの関係 学園祭-13

「阿川先輩、由香ちゃんにそんなこと言わないでよ。怒りますよ」

 いいようにあしらわれていた幸太でも由香の怒りを推し量ったのか、奔放な美雪に苦言を呈す。

「あ〜ん、幸太君、怒っても可愛い!」

 それでも美雪は意に返すことなく、幸太を撫で回すのをやめようとはしない。

「先輩、ちょっとは自重してもらえませんか? コウもひいてるし、周りの迷惑になるとまた顧問に……」

 唯一扱いを知る恵が仲裁に乗り出す。

「むー、しょうがないわね……。じゃあ幸太君、私の為にたこ焼き作ってくれる?」

 顧問の名を出された途端、美雪は急に大人しくなり、それでも精一杯の悪あがきと、お客として居座ろうとする。

「はい。喜んで」

 幸太は解放されるやいなや、そそくさと衝立の裏に戻る。

「ケイチン、美雪先輩って、ヘン?」

 騒ぎを聞きつけた里奈は恵にこっそりと耳打ちする。

「里奈が言うなよ。といいたいけど、あの人、ちょっと男の趣味が変わっててさ、そのいわゆるショタなんだよね」

「納得」

 由香は徒労感に方を落とすと、衝立の裏に戻る。

「あそうだ、ユカリン、里奈、午後からチア部の出し物あるから」

「えー、今里奈がいなくなったらお客さん減っちゃうよ」

「んじゃあたしが里奈の代わりに客引きするよ」

「ケイチンじゃ男の子も怖がるし、お客さん減っちゃうよ」

「いんだよ、その分女の子を呼び込むから」

「恵、それはそれでどうかしら?」

 笑いにくい冗談に苦笑いを浮かべる由香だが、噂によれば恵は「相模原」でも結構モテているらしい。

「まあいいわ、里奈はちょっと早いけど休憩に入ってよ」

「えーでも皆は?」

「実行委員がクラスを離れるわけにはいかないでしょ? それに里奈は午後にチア部の出し物があるんじゃなかった? 今のうちに見てこないと学園祭終わっちゃう
よ?」

 午後は体育館でチア部のパフォーマンスがある。里奈は一年ながらも部員の数の兼ね合いで借り出されているらしく、連日遅くまで練習していた。

「うん。それじゃあ里奈は色々見回ってくるけど、皆も暇になったら見に来てよ? コータも絶対だよ」

「うん、わかったよ」

「んー、なんか心配だなー。そうだ……、いいこと考えた。コータ、ちょっとしゃがんで」

 忙しいながらも幸太は素直に彼女に従う。すると里奈は彼の頭上を箒で払い「ネラカウヤ・チイナ・トイナコ」と意味不明な呪文を唱えだす。


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