けんぽなし〜クスリ〜-7
1キロ痩せた…
2キロ痩せた…
3キロ痩せた…
そんな…そんな事が…
私はドングリを握り締めた…
と、同時に涙が溢れてくる…
私と街で会った日の日記には…
一言…
書かれていた…
………助けて………
!!っー
「行かなきゃっ」
『………助けて……』
その言葉は、私に向かってるように感じた…
今度こそ…
逃げるわけにはいかない…
「行かなきゃ…」
私、パソコンに背を向けた。
「待てよ」
そう言って私の腕を掴んだのは、空だ。
「どうして?円、助けてって言っててるんだよっ行かなきゃっ!!」
「落ち着けって…これが円だって決まった訳じゃねーだろがっ」
「円だよっ」
「だからーっそんなのわかんねーだろーっバカっ」
「円だよっ絶対っ」
「行こう…」
部屋の戸が開いて、耕太郎が私に手を差し出した。
「耕太郎…」
「帰り、様子がおかしかったから…気になって…」
ドキン…
「円の所だろ?行こう」
私は、迷わず耕太郎の手をとった…
「てめっ、こらっ耕太郎っオイシイとこだけ持ってくなーっ太一、行くぞっ!!」
「え?俺?…俺は…」
空は太一を引きずるように私達を追ってきた。
ー………松ぼっくりが……
円の家が近づくにつれ、私の緊張が強くなっていく…
私はどんぐりを両手で握り締めた。
この道を曲がれば、円の家だ…
!!っー
道を曲がると、門に手をかけている円がいた…
「ー円っ!!」
私は思わず声を上げる。
「!!っ…」
「円っ待って」
円は私達を見ると、反対方向へと走り出した。