密心〜あいまみえ〜-5
「ま…た、次回…次回いらしてくださいまし」
かすかに笑まれる気配がした
「今日のみそかはつれぬからな。帰るか。菓子は卓上に置くぞ」
襖の向こうに蔵ノ介さまが消えてもどっと汗が吹き出した
あぁ…欲しかった
触れて、欲しかった
泣き出したいほどの焦燥にかられる身はただ官能が燻り炙られて辛い
辛くてたまらなかった
泣きじゃくってただただ心の内で蔵ノ介さま蔵ノ介さまと名を呼んだ
もはや秘めることなどできぬほど
好きでたまらない名を呼び続けた