光と影 act.5-3
それから数日しても体調が崩れていなかったので油断していた。
自分が病気でここにいることが頭から抜けてしまっていたんだ。
「ゲホッゲホッ……ゴホッ……ハァハァ……う゛っぐぅ……ハァ」
―だ、大介!! 身体を誰かに借りて先生の所へ!
「行くな……行か…ない…で……ゲホッ……ハァハァ……大丈夫……すぐ治まるから…」
僕はルナに始めて触れた。今まで機会もなかったしその必要もなかったから。
でもそれを喜んでいる余裕はなくて握った手の力がどんどん抜けていく…
―でも…
「ふぅ……もう大丈夫」
僕は今できる精一杯の笑顔を浮かべた。
―一応診てもらった方が…
心配そうなルナの顔が僕の心をチクチクさせる。発作とはまた違う痛みだ。
「いつものことだし、明日言っとくよ」
―そう……
チュンチュン…雀?
気付いたら寝ていたようだ。今までこんなことなかったのに…
…もしかして…ルナが力を使って…
心配をかけてばかりいるな。僕は。
―おーい!ルナから伝言だけど
ダイが朝っぱらから煩く怒鳴りちらす。
「なんだよ?」
―(―先生のとこに行くのよ)だってさ。
「分かったよ。うるせぇからもう消えろ」
―なんだその言い草は!!発作があったんだろうが!!
心配すんじゃねぇよ…辛いんだよ…優しくすんな…もう止めてくれよ…嬉しいだろうが
ダイの言うことで僕が少ししょげたような顔をすると、ダイはすぅーっとどこかへ行った。