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ある季節の物語
【SM 官能小説】

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ある季節の物語(冬)-5

まるで別人のような脂ぎった顔をしたアキヒコは、緊縛され跪いたケイコの白い裸体の傍に腰を
屈める。そしてケイコの髪の毛を鷲づかみにすると、その縛られた体を仰け反らせ、手にした赤
い蝋燭の焔をゆっくりとそのケイコの胸の上にかざす…。

そして嗚咽を洩らし続けるケイコの縄で喰い緊められた豊満な乳房に、揺らめく焔に熔け出した
蝋燭をアキヒコはゆっくりと傾けた…。


 …あぅー …うっうっ…


たらりと赤い熱蝋がケイコの乳房に垂れ落ち、白い肌にまるで血のように流れる。そして下腹部
に次々と滴る蝋涙が、彼女の漆黒の悩ましい繊毛に絡むようにその毛穴にまで滲み入る。ケイコ
の雪のような白い肌に、赤い斑の模様が妖しく描かれていくのだ。

そして、アキヒコはその秘裂の割れ目を炙るように赤い蝋涙を滴らせ、その淫唇に鋭い痛みの
快感をケイコに与えるのだった。


そのギラギラとしたアキヒコの瞳…私がこれまで見たこともない彼の顔だった。そして私の目の
前で繰り広げられるアキヒコとケイコの暗闇の中の悦楽に充ちた淫戯…。


アキヒコの手の中で、緊縛された裸体のケイコが、甘美な情感に悶えるその蠱惑的な姿に、私は
胸を掻きむしられるような狂おしい嫉妬を感じていた。同時に私の体の中で、奔流のような肉情
が渦を巻く…。

そして時おり烈しい疼きが、喉元まで熱く這い上がってくるようだった。



その悪夢にうなされながら目を覚ましたとき、私の陰部は溢れるような蜜液でぐっしょりと濡れ
ていた。
 
 


しばらく会わなかったケイコからの手紙が私のもとに届いたのは、あのカフェのある公園の梅の
木が、小さな芽をほころび始めさせた頃だった。


 …両親がすすめる人と結婚することになりました…あの公園のカフェで、またいつか裕美に会
 えることを楽しみにしてます…



 追伸…アキヒコとの日々、楽しかったわ…
 



 …やはり…そうだったのだ… 




テレビの天気予報が、関東地方に春一番が吹いたことを告げていた。夫のアキヒコの出張先から
の電話だった。


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