ある季節の物語(冬)-3
マンションの窓からは、冬のどんより曇った空が見える。遠くに霞む空港にライトを点滅させた
飛行機が降りていく。私は窓からその風景を眺めながら、ふとあのケイコの袋の中を思い出して
いた。
…ケイコって、あんな趣味があるのかしら…
その二週間後だった…私は、ふたたびあのカフェでケイコと会った。
そして、ケイコがちょっと電話するからと言って席を離れたとき、テーブルの上のケイコの手帳
からこぼれていた写真…
縛られた裸体の女…乱れた黒髪が首筋にまとわりつくように濡れていた。そして、その縛った女
のそばで鞭を持った裸の男…写真の端が切れていて顔はわからない。
その恍惚とした表情をした女は、紛れもなくケイコだった。
そして…そのたくましい肉体を持った男の紺色のブリーフが、こんもりと屹立した太いペ○スを
思わせる膨らみを持っていた。
そして鎖骨のあたりにあるホクロがきわだって見える。
えっ…まさか…
それは、見覚えのあるような男のホクロだった…。
その日の夜、私の夢の中…
仄暗い裸電球に照らされたあの写真の男の体がぼんやりと浮かぶ。
後ろ手に縛られた全裸のケイコが、大胆に太腿の付け根を裂かれるように開かされ、その膨らん
だ乳首や悩ましい陰部を男の指でなぞられていた…指で掻き分けられ、押し広げられる秘肉…
その男は、縛ったケイコの裸体に、まるで皮膚の毛穴に唾液が滲み入るような粘着質の愛撫を
続けていた。そして、その淫毛さえその一本一本を舌に絡めていた。陰唇の縁肉をなぞり、ゆっ
くりとその舌先で果肉のような秘裂の中を捏ねる。潤んだ膣襞を掻き毟るような淫靡なその男の
舌の蠢き…
アキヒコなの…いや、似ているけど、違う…違うわ…
夢から覚めたとき、私の陰部に滲み出たぬらぬらとした蜜汁…それは欲情に充ちた久しぶりの私
の潤みだった。
ケイコと会った夜に、私は必ず夢にうなされ、私の体の中の淫液がどくどくと脈を打つようにな
っていた。