あごがすきなんです。-7
「ん…?…あっ…
小林さん、大丈夫?」
状況を把握した杉山先輩は、私を心配そうな瞳で真っすぐ見た
「なんか、ごめんね」
「あ、いえ…」
すごい…私、こんなに綺麗な顎の人とお話してる
「古田は悪い奴じゃないんだけどさ、ほんと…
…大丈夫、だった?」
さっき嫌なことを言われたのに、口下手なのに、気まずそうに古田先輩を弁護する杉山先輩に愛しさが増していく…
「私より、先輩は…」
…私なんかよりも先輩の方が、先輩の美しい顎のラインの方が大事、です…
私はいつの間にか…杉山先輩の顎に手を伸ばしていた
「え…」
先輩の顔に触れる私の指が他人のものの様に見える
頭がぼうっとして、普段はまともに会話も出来ない先輩をじっと見つめていた
「………」
「………」
「…小林、さん?」
…あっ
「っすみません、先輩…」
急いで手を引こうとしたが、出来なかった
杉山先輩が私の手を掴んだからだ
「………」
「先輩…あの、私…」
なんで、先輩が私の手を?
でも…今なら言えるかも、しれない
言いたい、私の気持ち…
「私、杉山先輩が、好きです…」
「小林さん…」