【私のビョーキ】-19
「アッキーにキスされたの、恥ずかしかった」
「いいじゃん、好きなんだから」
「それと、嬉しかった」
「そう?」
「だけど悔しいの。だからアッキーの最初を奪ってあげる」
私は悪い女だ。
「あ、ユッキー……」
私は彼を包む。
やり方は保健の授業で習った分と、先輩の話を参考にして。
本当はもっと愛撫してもらわないといけないみたいだけど、アッキーにそれを求めるのは酷だ。彼が自分を扱いている間、私は自分を慰めることと唾液で濡らしていた。
だけど痛い……。
身体が裂けてしまいそうなくらいいたい。ゴムにも潤滑剤が塗られているみたいだけど、それでは全然足りない。スカートの下ではきっと一センチも彼を受け入れていないと思う。
「ん、はあ……ユッキー、なんか、またムズムズする」
「ん、ん、そう? それって何か出そうな感じ?」
「まだ弱いけど、でも、あんまりされると、またオシッコ出しちゃいそう」
アッキーは私で感じている。
その気持ちが、私をさらに彼に沈ませる。
彼のものは熱く、ゴム越しにも私を焦がしてくる。そして、裂いてくる。
大人になる試練、そして大人にさせる罰。だけど、それすら嬉しい。
彼の最初になれるのだ。キスは奪われたけど、童貞はもらっていく。きっと彼はそれに気付いたとき、私の呪いにかかったことを知る。そしてきっと恋焦がれてよ。
「ユッキー、大丈夫? 苦しそうだよ?」
「ん、大丈夫。それより、アッキー、私のこと好きっていって」
「大好き。美雪のこと、愛してる……なんて、いっても子供だもんね。けど、美雪以外に使うのってわからない」
子供のクセに愛を語るの? けれど、君は大人になり始めてるんだよ? 私のせいで、スカートに隠れてさ。
「んーん、人を愛するのに、年齢は関係ないよ。おとなでも、子供でも、誰かを愛する気持ちになれるのって、素敵なこと」
道徳の教科書にありそうな文句をいう自分は薄ら寒い。けれど、否定したくない。
私が中学生でも一人の人間なんだし、それに、私は秋雄を愛してるんだから。
「秋雄!」
私は彼に抱きつき、そして床に膝を着く。
身体の中で異物が跳ねる。それに応じてお腹に妙な鈍痛が走る。
「んあ、美雪……何? 何をしたの。俺……」
「秋雄がきちんと勉強すればわかるよ。けど、今は知らなくていいの。ただ感じて、私のこと……」
アッキーの手をとり、胸元に導く。自分でも分かるくらいにドキドキいっている。