【私のビョーキ】-16
「もう、アッキーったら、可愛い」
「男に可愛いなんていうなよ」
「ふふ、だって、すごく可愛いじゃない?」
寒さに震える彼の乳首はぴんと立っている。けれど、それは寒さが原因かな?
だってさっきから私はどんどん熱くなるのにさ、ブラに擦れて痛いっていうか、ゾクゾクするもん。
「ユッキー、何する気なの?」
「聞かないで。お願い。だってこれ、悪いことだから」
「ユッキーは悪い子じゃない。ユッキーを悪く言う奴はおれがぶっ飛ばしてやるんだ」
「そうね、きっと私を守ってね」
少し触れられただけで声を上擦らせるアッキーが、どうやって私を守るっていうの? そんなことより……をちょうだいよ。私のこと……って言って。そうしたらきっと、心の隅にかすかにある罪悪感だって忘れられるもの……。
「ねえ、たまにオチ○チン大きくなるんだよね。その時にどうすればいいか教えてあげるね」
「うん」
「まずね、私の顔をよく見るの。オッパイとかそういうの全部、私の裸を想像して」
「でも、そういうこと考えると大きくなるよ」
「いいの……」
「それに、見たこと無いもん。女の人の裸」
「そう、じゃあ、見せてあげるね」
アッキーになら見せてもいい。それにこれが残された最後にチャンスなんだ。私は寒さにくじけそうになる自分を叱咤し、リボンタイを解き、ブラウスのボタンを外す。
今日は可愛くないグレーのスポーツブラ。こんなことならフロントホックの勝負下着にすればよかった。余計なことを考えながら、制服ごとブラを脱ぎ、鞄の上に捨てる。
「ユッキーのオッパイ、小さいね」
「これから大きくなるの」
といってもまだ成長を見せてくれない。
私は生理も遅かったし、異性を意識する気持ちだってアッキーが初めてだ。多分、成長が遅いだけ。そう言い訳する。
スカートに手をかけるのは躊躇われる。けれど、それではアッキーを不安にさせる。だから勇気を出すの、私もズルイ大人になるために。
濃い茂みはあまり好きじゃない。というか、試合のたびにはみ出ないか本当に不安だった。たまに剃ったこともあるけど、余計に太くなる気がして、最近は伸びるに任せていたのが良くない。つくづく女として魅力がないと思う。
「よく見て、これが女なの」
そう、ズルイ女。
明日にはこの町を出る彼の心を、純真な男の子である彼の心を縛り付ける為の見せ掛けの勇気。
「よくわかんないけど、でも、オチ○チン、もっと大きくなってくる」
白のブリーフに隠れたモノはもう充分に張り詰めているらしく、先っぽから我慢の汁が漏れ始めている。