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【私のビョーキ】
【ショタ 官能小説】

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【私のビョーキ】-10

「あ……」

 アッキーは痛そうに呻くけど、私はそれとは別に驚いてしまう。
 だって、硬いんだもん。

「……アッキー、勃起してるの?」

 アッキーは私の問いかけにこくりと頷く。

 小学生でも勃起する。
 男子の性徴について詳しくない私は目の前のことを信じられずにいた。

「ねえアッキー、この頃パンツが汚れたりしなかった? ヌルヌルして、変な匂いしたとか」

「ある」

「そう……なんだ」

 私の初めては中学二年の終わりごろ。他の女子と比べてもずっと遅い初潮に、母は笑いながらお赤飯を炊いてくれた。今ではすっかり痛い思い出だ。

 でもアッキーはもう勃起してる。多分、この滲んでるのはオシッコじゃなくてそういうものだ。

 キスしてきたのってふざけてじゃないの? それとも女の子に興味持ってたから?
 精通が終わってるってことはセックスできるんだし、やっぱりそういうことなのかな?

「最近ね、俺、チンコたってやなんだよ。夜にユッキーのこと考えたりしてさ」

「それで、何してるの?」

 もしかして、アッキー、私のこと……女として見てるの?

「なにも。だって、わかんないけど、ただ、ユッキーのこと考えてるだけ」

 変なことはしてないんだ。でも、精通が終わった男子って毎日でも出来るんでしょ? 男子にもこんな匂いぷんぷんさせてる奴いるし、アッキーも、そんな子なのかな。

 だとしたら……。

***−−−***

 結局買ったのはブルーのジャケットに半ズボンを二着。
 スパッツはやはりやめた。着せ替えもやめた。
 商品が汚れたらまずいし、アッキーも嫌がったから。それに、私も。

 別れ際、送っていくというアッキーのお父さんに軽く会釈をして断り、私は一人喫茶店に寄り道する。

 ドリンクとポテトフライを交互に摘みながら、私は酷く落ち込んでいた。

 純真無垢な天使にキスされた。

 そんな幻想が打ち砕かれた。

 前の中学でのことだけど、男女共同で更衣室を使っていた。
 男子はいつも着替えるのが遅く、しかも部活が終わったあとも入り浸っていたとか聞く。それに着替えの最中も変な視線が刺さってくるし、何よりアッキーのパンツからしたものと、同じ臭いがした。……いや、もっと濃かったかもしれない。

 私は同年代の男子は好きになれそうに無かった。

 でも、アッキーも同じなんだ。まさか男の子じゃなく男になりかけだなんて。


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